大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械設計及び製図、機械加工学、数値制御、数値制御加工実習、CAD/CAM実習
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

工業材料、熱工学、加工学

製作の目的と概要

多種多様なプラスチック及びその複合材料が日常生活をはじめ工業材料として広く使用されています。しかし当科ではプラスチック材料を成形加工する設備や実習はないため、あまりなじみのない材料です。プラスチックの成形加工ができれば、CAD/CAM実習との連携や総合制作への活用、当科または当校で企画するものづくり関連イベントへの活用など幅広く応用できるものと考えられます。ものづくりの幅が広がることも期待されます。
本制作ではプラスチック成形加工の一歩として、設備や型製作の面で取組みが容易な真空成形を取り上げ、真空成形機を設計・製作することにしました。 本年度はシート加熱装置の部分としてヒーターボックスを試作しました。また汎用プラスチックである硬質塩化ビニル(PVC)とポリプロピレン(PP)のシートを加熱軟化し成形条件を確認するとともに、型を試作し、試作成形を行うこととしました。
★技能・技術習得目標:
課題の設計・製作を通して、工学的知識を設計・製作に応用する力を身につけます。

成果

加熱装置の一部としてヒーターエレメント1枚を使用し、市販の温度コントローラで制御できるヒーターボックス( 単相100V,300W )を試作しました。また図2に示すとおり、この装置におけるシートの成形条件を確認しました。また単純形状の簡易的な容器の型を製作し、得られた条件より試作成形することができました。
★アピールポイント:
二次加工として機械加工(主に切削加工)によるものだけでなく、プラスチック成形加工も学ぶことができます。加工法の選択及び活用範囲の広がりが期待できます。
真空成形機の設計・製作(H24)の画像1
図1 装置外観
真空成形機の設計・製作(H24)の画像2
図2 成形温度範囲
真空成形機の設計・製作(H24)の画像3
図3 試作容器(左:PVC,右:PP)