大学校及び設置科 東海職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 【機械系】機械設計技術、機械加工技術、組立調整技術 【電気・電子系】マイコン利用技術、PLC利用技術、プリント基板設計技術、配線技術 【情報系】インターフェイス設計制作技術、データベース設計技術、画像処理技術
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

生産管理を主体的に行う複合化技術と基本となる技能及びその活用能力(応用力、創造的能力、問題解決能力、管理能力)を実践する力を養成します。また、能開大共通仕様による競技課題の側面を持ち、そのためタクトタイムを短縮する等の工程を創意工夫する力も養います。

製作の目的と概要

本テーマは関東職業能力開発大学校が4年前に提唱された課題であり、その翌年から当校も参加した能開大共通仕様による技能競技型課題であります。
過去の開発課題では、開発する装置によっては3科の技術要素に偏りがあり、本当に取組みたい技術に挑戦できないという声が挙げられていました。そこで、応用課程2年間の集大成として、3科が技能・技術をバランスよく活かせた上に、他の大学校と技能・技術を競い合える技能競技型課題を関東職業能力開発大学校が提唱いたしました。その内容は、特定機能を有する電子製品を対象とし受注から出荷までを行う自動組み立て生産ラインを想定した装置の設計・製作する技能競技型課題とします。
当校も3年前より本課題に参加し、関東職業能力開発大学校が提唱した技能競技に必要な課題装置の共通仕様と評価基準の素案を基に、実施校としての反省等意見交換を行い、今後他校からの参加をし易くするための共通仕様及び評価基準の見直しに協力いたしました。
更に、今年度は装置による組付け及び検査する製品の仕様を同一のものとし、関東職業能力開発大学校とSKYPE®(スカイプ)を使ったテレビ会議形式の競技会を実施し、より完成度の高い技能競技型課題の開発を行いました。
★技能・技術習得目標:
?共通仕様が理解できる。?製作物は、物理的及び動作仕様を満足している。?開発コンセプトが明確である。?自動及び手動運転ができる。?メンテナンス性が考慮されている。?安全性が確保されている。?非常停止により、アクチュエータが全停止できる。?筐体や配線等の外観が適切に仕上げられている。?ユーザーインターフェースが考慮されている。?取説や設計図面等のドキュメント類がそろっている。?予算が適正な範囲内にある。

成果

今年度は、組立て及び検査工程の対象となる電子製品において、仕様の共通化とプリント基板外装ケースの型による自作も行い、組み立て精度の向上も目指しました。電子製品の一層の共通化により、他大学校との競争心が明確となり、組立工程や検査工程でのタクトタイムの短縮を目標とした創意工夫による技能・技術力の向上が見られました。また、メールやテレビ会議形式のSKYPE®の活用により学生間の交流が図れたことなど技能競技ならではの成果を得ることができました。
★アピールポイント:
競争心が明確だったため、学生は通年を通して高いモチベーションを維持していました。その甲斐もあって、学生は平成24年度ポリテクビジョンにおいて最優秀賞を受賞いたしました。
生産自動化ラインの開発(H24)の画像1
図1 組立装置
生産自動化ラインの開発(H24)の画像2
図2 検査装置
生産自動化ラインの開発(H24)の画像3
図3 電子製品