大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 建築科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 木質構造、RC構造、木質材の性質、コンクリートの性質、塗装の基礎的な知識と技術
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

木質構造、RC構造、木質材の性質、コンクリートの性質、塗装の先端的な知識と技術

製作の目的と概要

木材に対する色や木目に対する趣向は一般消費者と木材生産者との間に隔たりが大きいと言われています。業界として消費者ニーズに沿った開発ができていないと言わざるを負えません。色に関しては、塗装や染色が一般的ですが、いわゆる表面処理の分野に属します。染色に関してはアツモノと呼ばれる染色は20〜30mm厚であり、より大寸は技術的に難しいとされています。また、技術は特許案件に流れる傾向にあり、学術分野での情報開示は少ない分野となっています。当コースの既存技術である「防音材の開発」と、「寄せ木細工技術」に成果を転用予定です。
★技能・技術習得目標:
大断面木材染色技術の開発では、既往の研究把握、問題点の抽出、実験計画、試験体作成、ジグ作成、実験、結果考察、提案までの、「新技術開発」に関わる一連の工程を習得することで、開発実務に適応する技能・技術を身につけます。
また、制作に関わるコストの算出、スケジュール計画、役割分担などから、管理能力、情報の共有や協調性などのチームワーク力・コミュニケーション力についても習得します。

成果

今回の実験では、供試木材をスギ・ツガ・モミの3種用意し、実験方法の違いと比べながら相性の良い木材を探りました。その結果、木材を染色する方法として圧縮木材復元力+外圧力が一番の効果を発揮しました。これは、木材に加工を行わない浸漬の結果よりすぐれています。このことから、木材または水溶液に圧縮、圧力等の特殊な条件を付加すれば、浸透性の向上が見込めることが分かりました。木材についてはモミの木が他の樹種と比べ染まりやすく、圧縮木材復元力+外圧力のモミは今回行った実験の中で最も優れた結果となりました。
★アピールポイント:
既往に存在しない分野への挑戦によって学生の熱意を育てることができました。
木材の染色と評価技法の開発(H24)の画像1
図1 細胞壁染色写真
木材の染色と評価技法の開発(H24)の画像2
図2 木口からの距離の影響
木材の染色と評価技法の開発(H24)の画像3
図3 評価方法と結果