大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 精密機器設計、自動化機器設計、精密加工応用、計測制御、センシング、生産自動化システム、CAE実習、CAD/CAM応用実習、精密加工応用実習、計測制御応用実習、センシング応用実習、自動化機器応用実習、生産自動化システム実習
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

自動化機器設計技術、精密加工技術、PLC制御、センシング技術、画像処理技術

製作の目的と概要

本課題はある企業からの依頼により、携帯電話等に使用されるフィルム加工の段取り作業効率化及び製品検査の自動化による人件費削減を目的に取り組みました。この企業では製品の多品種少量生産のため1日に数回段取り換えを行っていますが、1回の交換作業に20分〜30分と長時間を要し生産効率が上がらないという問題がありました。また、製品検査を目視で行っていました。これらの問題に対し、金型のカセット化及びアンコイラや製品巻き取り装置の一体化による段取り換えの時間短縮と画像処理による検査の自動化によって問題解決を図ろうと考え、システムの開発を行いました。
★技能・技術習得目標:
製品製造工程における問題点を把握し、それを改善する発案力及び設計・製作技術を習得します。

成果

アンコイラやフィーダー等周辺装置と自動検査装置を含むフィルム打ち抜きシステムを開発しました。金型のカセット化と周辺装置の一体化により段取り換え時間の短縮が可能となること、検査自動化においては極力安価なシステムにしてほしいという要望によりWebカメラを利用した為、検査の完全自動化は図れませんでしたが、Webカメラと背景差分法やパターンマッチングの組み合わせにより検査の限界値が得られました。
★アピールポイント:
依頼企業よりカセット金型の構造確認ができたことと、Webカメラによる画像処理の限界値が分かったことは大きく、今後に活かせるデータを得られたことは有難いという評価を頂きました。
カセット型を利用したフィルム打ち抜きシステムの試作開発(H24)の画像1
図1 装置全体図
カセット型を利用したフィルム打ち抜きシステムの試作開発(H24)の画像2
図2 製作したアンコイラ
カセット型を利用したフィルム打ち抜きシステムの試作開発(H24)の画像3
図3 金型のカセット部とフィルム