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課題の要約
社寺建築の屋根模型製作 −扇垂木−(H25)
大学校及び設置科
東北職業能力開発大学校 住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
日本建築史、建築施工実習?、技能検定2級「建築大工」職種
課題に取り組む推奨段階
専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術
規矩術、扇の振れ図を用いた各種勾配の作成、現寸展開図、大工道具の使用法、CAD、工程管理
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
社寺建築工法に関する技術的な内容は口伝とされる部分が多くあります。最近こそ一部の木工技能者を対象にした研修が開催されていますが、その内容を理解するためには、さしがねの使用法を始めとする規矩術の習熟が前提となります。そのため、社寺建築に興味を示す学生がいる場合も、学びたくても学べない、何から始めれば良いのか分からないといった状況が起こり得ます。
本制作では、棒隅木を基本仕様とする技能検定実技課題に社寺建築の特徴の一つである扇垂木を納めた小屋組模型(図1、2)の製作を課題として設定しました。棒隅木は、規矩術を習得するための入門として数多くの市販教材で取り上げられています。これに社寺建築特有の技法を加える仕様とすることで、知識体系の道筋をつけ、製作手順の見当を与えました。
★技能・技術習得目標:
小屋組模型の製作に要する図面の作成から模型の製作を通じて、大工技能の向上と社寺建築工法の習得を目指します。
成果
社寺建築で用いられる扇垂木と一般住宅で用いられる垂木の納まりを実際に製作して比較することで、力学的観点から形状の違いについて理解し、伝統技法の利点を学ぶことができます。また、高度な技法に挑戦することで、道具の重要性について認識し、自ら道具を調整する姿勢が備わり、ものづくりに携わる技術者としての姿勢が養われます。
★アピールポイント:
技能検定で求められる技能と技術が建物のどのような場所で活かされているかを制作課題に取り組みながら学ぶことができます。制作物は展示し、後学者への教材として活用できます。数多くの伝統技法を年度毎に積み上げていき、継続テーマとして実施が可能です。
図1 小屋組模型(写真右:技能検定課題 写真左:扇垂木模型)
図2 隅木と柱の納まり
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