大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 建築施工システム技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 鉄筋コンクリート施工・施工管理課題実習、建築構造実験、建築材料?、建築材料実験
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

コンタクトゲージ方法(JIS A 1129-2)に基づくコンクリートの乾燥収縮値 測定方法の習得、コンクリートの圧縮試験(JIS A 1108)に基づく試験方法の習得、コンクリートの静弾性係数試験(JIS A 1149)に基づく試験方法の習得 及び 試験結

製作の目的と概要

 2009年に改定された日本建築学会の建築工事仕様書JASS5ではコンクリートの計画供用期間の級が長期(約100年)以上の場合、コンクリートの乾燥収縮率を8×10-4以下に規定され、各レディーミクストコンクリートの製造工場では、独自にコンクリートの乾燥収縮ひずみ量の調査研究を行っているのが現状です。
 今回、近隣6社の工場が実際に出荷しているコンクリートの代表的な同配合の供試体(30-18-20N)を作成してもらい、材齢7日間標準養生を行い、その後20±3℃、相対湿度60±5%で乾燥させ、182日までにおける乾燥収縮値の測定を行ってデータの集積をはかり、ユーザーに対して具体的な乾燥収縮量を早期に提示するための技術資料の作成を目的とします。
 ★技能・技術習得目標:
 課題を通して、企業での品質管理を学ぶ。コンタクトゲージ方法(JIS A 1129-2)に基づくコンクリートの乾燥収縮値の測定方法、コンクリートの静弾性係数についての算定方法を習得する。また、28日の乾燥収縮値を推定式で算定し、182日の乾燥収縮量を推定することにより実測値との比較検討を行います。

成果

 6社の182日の測定結果をまとめ、28日の測定値から算定した182日の予測値との比較検討をおこないました。1社の測定値が800μを超えたため、その原因と改善方法について企業を交えて検討を行いました。
 ★アピールポイント:
 企業との共同研究として実施しています。同配合でも工場により、例えば使用材料が違うため、異なる結果となります。試験結果をまとめ、報告書を作成し、各工場の品質管理活動に貢献することができます。
乾燥材齢28日〜182日におけるコンクリートの乾燥収縮量推定(H25)の画像1
図1 供試体 乾燥状況
乾燥材齢28日〜182日におけるコンクリートの乾燥収縮量推定(H25)の画像2
図2 圧縮強度試験、静弾性係数試験
乾燥材齢28日〜182日におけるコンクリートの乾燥収縮量推定(H25)の画像3
図3 乾燥収縮率・予測値の比較データ