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課題の要約
震災時における港運企業の作業遂行能力の現状(H25)
大学校及び設置科
港湾職業能力開発短期大学校 横浜校 港湾流通科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
港湾総論、コンテナ論、港湾産業論、港湾特論、港湾荷役システム実習、物流法令概論
課題に取り組む推奨段階
専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術
実証研究の手法(質問点の整理、インタビュー技法、KJ法による論点整理等)、港湾政策(防災)
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
ゼミ研究のテーマとして「東日本大震災と港湾機能について」の取り扱いは今年度が3年目となり、東日本大震災時の港運企業の現状を明らかにすることを目的としています。とくに、東日本大震災における港湾物流に関するテーマは、救援物資輸送に関わる物流機能の調査が多く、港運企業の現状を実際に調査して報告するケースはほとんどありません。したがって、オリジナリティの高いテーマです。今回のゼミ調査は、2013年7月31日-8月2日にかけて仙台塩釜港の三陸運輸株式会社、塩釜港運送株式会社、株式会社カイリクの3社を訪問し、震災直後の現状や企業組織内部の状況等の調査を元に企業存続の条件であるヒト・モノ・カネの切り口から整理し、今後の災害対策について、どのような組織体制が求められるのかを提案しています。
★技能・技術習得目標:
課題を通して、調査研究するための各社への質問項目の抽出、実際にインタビューするための技法、インタビュー内容の整理をKJ法により活用します。
成果
まず、東日本大震災による港湾機能について、過去2年間にわたり調査した内容とは異なるテーマを選定する作業として、先輩達の論文を先行研究として確認し、実際に現地調査を実施し、港運企業内部の状況をヒト・モノ・カネの3要素で整理しました。具体的には、ヒトでは、各社3名程度の死者をだし、自宅が損壊したために
避難所に避難した社員が多くいたことから、社員の安否確認に相当な労力と時間をかけています。モノでは、大型荷役機器が津波の影響により壊滅的な被害を受けて、大型荷役機器を発注しても納入期間が通常の2倍以上になり、内陸の取引会社から借りることにより対応していました。最後にカネでは、各社ともに20〜25億円の被害金額となり、復旧・復興費用をおもに自己資金で賄っています。
これらのことから、当時の港運企業は、港湾運送事業法の第18条の2に該当する災害の救助等に関わるための港湾運送を国土交通大臣から公的命令が発令された場合、港湾作業の遂行能力はなかったと結論を出し、今後の災害時においては、港運企業だけではなく、地方自治体や自衛隊との連携作業が必要不可欠であり、日頃から官・民の連携が重要であると提案しています。
★アピールポイント:
先述したとおり、東日本大震災における港運企業の実態を調査し、報告されている事例がないことから、特
筆できるテーマです。また結論として災害直後の港湾において、港運企業への実証研究を踏まえたうえで、
官・民連携の重要性を提起しています。このことは、今後の港湾における防災政策の方向性を示唆したも
のと評価できます。
図1 企業調査の状況
図2 港運企業の被害状況
図3 作業遂行能力の可否
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