大学校及び設置科 北陸職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械設計技術、機械加工技術、組立技術、CAD/CAM/CAE応用技術、電気・電子回路設計技術、CAD/CAM技術、アクチュエータ制御技術、プログラミング技術(C++言語、Visual Basic™)、計測・制御技術
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

機械:主に企画・設計、CAD/CAM/CAE技術、機械加工、組立・調整・検査の応用実践力、電子:電気・電子回路設計技術、デジタル通信技術、マイコンプログラミング技術、制御盤製作技術、情報:プログラミング技術、リアルタイムマルチタスク処理技術、画像処理技術

製作の目的と概要

 過去に開発し情報を公開したパラレルリンクロボットが好評で、数社から見学を受けました。それらの企業からの要望は「現場で使えるロボットにして欲しい」でした。これをロボットの仕様としてまとめ、開発をスタートさせました。主な仕様は、?500gのワークを30個毎分移動させることができること、?ワークは真空吸着で把持すること、?画像によるコンベア上の移動物体を検出しトラッキングしながら把持すること、?汎用ロボット言語に対応すること、?繰り返し精度±0.05mm、などです。
★技能・技術習得目標:
 課題を通して、機械系の学生は各種機械要素、構造材料の使用方法や設計方法を知り、それぞれ適した機械加工法、締結方法などを習得します。また、電子系の学生は、電子回路設計技術を用いて制御回路基板を作製し、デジタル通信技術を実際にティーチングペンダントとPCとの通信に応用します。
情報系の学生は機械制御のためのプログラムの在り方を知り、適切なプログラム言語の選択と連携方法を習得します。さらに、画像処理技術を習得し移動物体検出に応用します。
また、全体的には企画方法や提案の仕方、報告の仕方、スケジュール管理などを通じてコミュニケーション力を強化します。

成果

 図1に示す小型パラレルリンクロボットを開発しました。3本のアームをサーボモータで駆動し、φ220×50の範囲でワークをバキュームパッドで吸着し搬送・整列できます。ベルトコンベア上のワークの検出はCMOSカメラで行い、パソコンで重心や傾きを検出した後、ロボットがトラッキング、ピックします。
これらの一連の動作は、汎用ロボット言語であるSLIMに準拠した形式で記述することができるようになっています。必要な動作ポイントは事前にティーチングペンダントを用いて座標地を別ファイルに保存しておきます。
サーボモータの制御は、市販の8軸モーションコントロールボードを使用し、真空吸着用のソレノイドバルブや真空度センサなどはデジタルI/Oボードを使用して制御しています。
★アピールポイント:
 企業から要望のあった仕様について、達成することができました。
小型パラレルリンクロボットの開発(H25)の画像1
図1 システム概略図
小型パラレルリンクロボットの開発(H25)の画像2
図2 ティーチングペンダント
小型パラレルリンクロボットの開発(H25)の画像3
図3 システム全景