大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 マイクロコンピュータ工学実習、インターフェース製作実習、電子回路設計製作実習、センサ工学
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

組込みプログラミング技術、電子回路設計製作技術、自動制御技術

製作の目的と概要

 最近、クアッドコプター(4つの駆動部で飛行する)などの無人飛行体は、世界的にも普及しています。このような製品の原理を明らかにし、自作することは、電子回路、制御ソフトウェアなど様々な技術要素を学ぶ題材として適切と考えました。本テーマでは、3つの駆動部を持つ飛行体について取り組むこととしました。このタイプは、あまり開発例が多くなく研究の余地があります。この実習をとおして「ものづくり」の面白さや発展性を理解するとともに、期限までに成果物を完成させることでスケジュール管理の重要性も学んでいきます。
★技能・技術習得目標:
 3個のモーターでプロペラを回転し飛行するトリコプターの製作を通して、設計、製作及び組立・調整技術等の総合的な実践力を習得するとともに、機体制御部の設計を通して、実践的な電子回路設計技術、制御システム設計技術も習得します。

成果

 駆動部、電子回路部、無線通信部および機体構造物並びにリモコン及びPCソフトウェアを完備し完成することができました。また、機能面では、機体の駆動、無線操縦およびPCでのヒューマンマシンインタフェースを完成することができました。安定的な水平飛行には、まだ調整の余地がありますが、機体のバランス設計や飛行体における自動制御の難しさなど貴重な経験が得られました。開発目的・技能習得目標は達成できたと考えています。
★アピールポイント:
 無人で飛行するだけでなく上空からの映像を動画でリアルタイムに提供できるようにし、たとえば民家の屋根の点検などの実用性も持ったものを目指して取り組んできました。無線操縦ができ、障害物や人との接触を自動回避するほか、無線操縦の指令がない場合は、その場で静止浮揚や、バッテリ容量低下時の自動着陸などの自律制御機能を盛り込むなど安全にも配慮しています。
空撮用トリコプターの製作 ?機体及び制御基板製作?(H26)の画像1
図1 トリコプタの機体
空撮用トリコプターの製作 ?機体及び制御基板製作?(H26)の画像2
図2 リモコン
空撮用トリコプターの製作 ?機体及び制御基板製作?(H26)の画像3
図3 PC画面