大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械加工実習、数値制御加工実習?・?、CAD実習?・?、機械設計製図、機械要素設計
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

機械加工応用技術、カム設計、CAD/CAM技術

製作の目的と概要

「文字書き人形」は、江戸時代のからくり人形ですが、幕末に海外流出し長い間発見されなかったため幻の最高傑作とされていました。しかし、アメリカで発見され12年間の交渉の末2004年に日本に里帰りし、人形師による修復がなされた上で「愛・地球博(愛知万博)」で発表され大きな話題となりました。その時点では「寿」だけでしたが現在では「寿・松・竹・梅」の4文字が修復されています。今年度について我々は、「文字書き人形」の複雑なメカニズムを解明し、基本構成を機械加工技術により製作することに挑戦しました。
★技能・技術習得目標:
実習を通して、設計・機械加工・組立・調整・検査・評価・改善・報告までの「ものづくり」に係る一連の工程を習得することで、実務に適応する技能・技術を身につけます。

成果

文字書き人形の構造に関する数少ない資料を参考にしましたが、仕組みが不明な部分が多いためそのような部分は自分たちで考えて基本構造を設計・製作することができました。また、今回書かせる文字を「心・技・体」の3文字と決定し、その動作の要となるカムを試行錯誤しながら製作し、目的の動作を達成することができました。さらに、今年度では製作できなかった部分や問題のある部分を洗い出して次年度に引き継ぐ内容を整理することができました。
★アピールポイント:
今回製作した文字書き人形が書く文字は、当初かなりひどいものでしたが修正を繰り返しなんとか目標の「心・技・体」の3文字がそれらしく見えるようになりました。その成果により近畿ポリテクニックビジョンにおいて優秀展示作品賞で表彰されました。
文字書き人形の製作(H27)の画像1
図1 製作した文字書き人形と組立図
文字書き人形の製作(H27)の画像2
図2 人形が書いた文字