大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 附属滋賀職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械製図、CAD実習、メカニズム、工業材料、材料力学、機械加工実習、シーケンス制御、溶接工学
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

上記の前提となる項目について、応用的かつ実践的な知識、技能・技術を習得します。

製作の目的と概要

ゲーム性を持たせたような自動機を製作することでオープンキャンパスやポリテックビジョンで滋賀職能大の来校者に対して、楽しんで頂きながらPRすることを目的とし、テーマを設定しました。最初から「棒刺しゲーム機」と決まっていた訳でありませんでした。ゲーム機といえばクレーンゲームなどがありますが、今回は、滋賀職能大のPRのため、来校者の方が楽しめるゲーム機で、かつ、新規性・独自性があるものを開発することを目的としました。来校者の方というとオープンキャンパスに来られる高校生やポリテックビジョンに参加される小、中学生も対象となります。本テーマでは、既存のものとは違うものを作りだします。楽しめるゲーム機とはどういったものなのか楽しさの要素について、グループ内で意見を出し合いました。その中で、次のような意見でまとまりました。
・新規性,独自性から穴があいている円盤を回転させ、その穴の上空に棒を移動させ、狙いを定めて穴に刺します。
・新規性・独自性がある操作の観点から棒を移動させる操作は、タッチパネルにより行います。
・個人の技量により、難易度調整をするため、棒の太さを「細い棒」、「太い棒」の2種類を選択できることにします。
・難易度調整から、棒の移動速度を調節できることです。
・穴の大きさも小さいものから、大きなものもあり、棒の太さと穴の大きさに応じた得点を取得でき、競うことができることにします。
以上が楽しめる要素ということになり、このようなことから、ゲーム機の名称は,「棒刺しゲーム機」となりました。これらの要件を満たすための設計・製作を進めました。
★技能・技術習得目標:
ゲーム機の設計、製作、組立・調整を行い、制御をすることで装置(ゲーム機)が動作することは、必須ですが、ゲーム機の目的であるユーザーが使用して楽しめる仕組みも満たさなければなりません。以上のようなことから、設計プロセスからコンセプトを明確にし、常にコンセプトに沿っているか、確認をしながら実習を進めます。開発に関連する科目としては、機械製図、CAD実習、メカニズム、工業材料、材料力学、機械加工実習、シーケンス制御等の知識、技能・技術が必要となります。

成果

・模倣設計を行わず新規性・独自性を持ったゲーム機である棒刺しゲームを開発することができました。(図1を参照してください。)
・構想設計時にグループで考えた楽しめる要素を盛り込むことができました。設計・製作に携わった学生グループや生産技術科、他科の学生が棒刺しゲーム機を動かして楽しむことができました。
・2月のポリテックビジョン滋賀では、学生の内定先企業が来校され、滋賀職能大の総合制作実習としてPRすることができました。
・3月の高校1、2年生を対象にしたオープンキャンパスで来校して頂いた生徒に楽しんで頂くことができました。

★アピールポイント:
新規性・独自性を持ったゲーム機である棒刺しゲーム機を開発することができました。新規性ということで遊び方(ゲーム機の動作)について説明をします。
【遊び方(ゲーム機の動作)】
タッチパネルに向かって左側のストロークエンド、手前側のストロークエンドが棒の原点となります。遊ぶために次のような手順で操作します。
?タッチパネルの回数と書かれた数字の部分を押してゲーム回数を入力し、Enterボタンを押します。
?「太い棒」か「細い棒」どちらでゲームをするか選択ボタンを押します。円盤が回転し始め、棒の移動ボタンを押せる状態になります。
?棒の右移動ボタンを押し続けます(X軸プラス方向)。
?奥移動ボタンを押し続けます(Y軸プラス方向)。
X、Y軸の移動ボタンは、一度離すと再度、移動させることはできません。
棒を止める位置は回転している円盤の穴の軌跡の上空となります。
? 棒の下に穴がきた時に下降ボタンを押すと円盤の回転が停止し、棒が下降します。
? が狙った穴に入るか見守ります。
? 穴に棒が入った場合は、得点表示されます(図2、図3を参照してください)。穴に棒が入っても入らなくても、しばらくすると棒は、自動的に原点に戻ります。
??で設定した回数の残りがあれば?から繰り返しできます。回数の残りがゼロになったらゲームが終了になります。
棒刺しゲーム機の設計・製作(H27)の画像1
図1 製作した棒刺しゲーム機
棒刺しゲーム機の設計・製作(H27)の画像2
図2 棒が穴に入るところ
棒刺しゲーム機の設計・製作(H27)の画像3
図3 タッチパネルの画面