大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械技術(機械設計・加工)、電気・電子技術(アクチュエター制御、プログラム開発)、情報技術(インターフェース設計制作実習、リアルタイムシステム構築実習、計測制御システム構築)
課題に取り組む推奨段階 機械技術、電気・電子技術(モーター制御、センサ技術、プログラミング技術などを習得した段階)、情報技術
課題によって養成する知識、技能・技術

機械技術(設計、製作及び組立・調整等の総合的な実践力)、電気・電子技術(マイクロステージ、超精密)、情報技術

製作の目的と概要

 現在ナノテクノロジーの研究が盛んであり、超精密加工関連では、より小さい形状の製品を精密に作るという技術が求められています。応用例としては精密金型や医療用の微細製品の開発があります。しかしこれらの製品を作るためには、精密なステージ移動を可能とした簡便なマイクロステージの開発が求められます。
 そこで我々は、マイクロメカニズムに必要な部品の提供および微細製品製作用として活用できる、安価で精密なXYマイクロステージの開発を行なうこととしました。
 表1に本課題の開発目標を示します。 このマイクロステージを使用して、マーキング用ポンチのための超精密金型用入れ子(100μm×100μm)の製作を目標としています。

成果

 ステージのサイズは、幅(W)200[mm]、奥行き(D)200[mm]、高さ(H)30[mm]です。目標寸法より3割の小形化を達成できました。重量はステージ部で6.64[kg]となり、目標の約4割軽くすることができました。
 ステージの移動範囲は目標どおり±10[mm]となりました。各移動距離に対して10回測定し、その平均値を求めました。その結果X軸、Y軸とも移動距離誤差が、10[μm]で0〜10[%]、1000[μm]で0〜0.8[%]となり、移動距離が大きくなるにつれて誤差率が小さくなる傾向となりました。
 また、ステージを移動させたときの騒音が最高で58[dB]となり、開発目標70[dB]以下を満たすことができました。
超精密加工のための微細金型用マイクロステージの開発(H18)の画像1
表1 開発目標
超精密加工のための微細金型用マイクロステージの開発(H18)の画像2
図1 装置の構成図
超精密加工のための微細金型用マイクロステージの開発(H18)の画像3
図2 ステージ部