大学校及び設置科 東海職業能力開発大学校 附属浜松職業能力開発短期大学校 電気エネルギー制御科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 電子回路工学?、機械工学概論?・?、電気機器学?・?、電気エネルギー概論、制御プログラミング実習、機械工作実習、CAD実習、環境・エネルギー実験、シーケンス回路実習
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

機械工学、有接点シーケンス制御技術、マイコン活用技術、メカトロニクス技術、機械加工技術、自動化システム技術、コミュニケーション能力

製作の目的と概要

IoT(Internet Of Things:モノのインターネット)は情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノをインターネットに接続し計測制御、遠隔操作等を行うものづくりです。一方でスマートフォンのアプリケーション市場は年々拡大しており、その中でも現実のものとつながったアプリケーションが注目されています。そこで私たちは、これらのニーズと日本でメジャーなスポーツである野球に注目し、IoT技術によりスマートフォンゲームで操作できるピッチングマシーンの試作を行いました。
★技能・技術習得目標:
本制作では、ピッチングマシーンの筐体作成から機械工作技術、マイコンによるモーター等のアクチュエータ制御技術、スマートフォンを利用したIoT技術による無線通信アプリケーション開発技術等、様々な技術・技能を習得することを目標としました。

成果

ピッチングマシーンの性能評価について
射出の精度を確認するため、目標とする的(正方形のパネル)に当て判定を行いました。結果は94%(50球中47球)が命中し、高い精度を実現することができました。
スマートフォンアプリケーション評価について
制作中から高評価を得ている学生たちのみの評価ではなく、より客観的な評価を得るため地元のソフトウェア開発のプロフェッショナルが集まるオープンソースカンファレンスに出展しアンケートを行いました。結果は、つまらない、見にくいなどの意見は一人もあがらず、操作については約90%が操作しやすく、画面については約80%が見やすく、機能については約65%がおもしろいと答えました。
★アピールポイント:
利用者はみな楽しんでいます。スマートフォンによる速度制御はもちろん、3基のモーターの回転速度を個別に変えることで変化球の実現も試みています。また、IoT技術により実現した本制作物は球種の履歴はWebブラウザを利用して、スマートフォン以外の端末からも見ることができます。老若男女誰もが楽しめるよう操作方法は簡単にし、速度は変化するゲージをタイミングよく押さないと速い球が出ないようゲーム性を持たせました。また球種選択時にピッチャーはアニメーション処理で動きを持たせています。操作は簡単なので親子で楽しめる内容となっています。球の速度は時速70kmを超えますが、球は柔らかいスポンジボールを使い、安全面も考慮しています。
IoT技術によるスマートフォンピッチングマシーンの試作(H27)の画像1
図1 外観
IoT技術によるスマートフォンピッチングマシーンの試作(H27)の画像2
図2 アプリケーション画面
IoT技術によるスマートフォンピッチングマシーンの試作(H27)の画像3
図3 利用風景