大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 建築科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 建築構法、建築材料、建築施工、建築施工管理、建築法規、建築設計実習、建築施工実習?・?、施工図実習1
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

建築リノベーションに係る計画、設計、施工、施工管理に関する一連の知識、技術、技能の習得

製作の目的と概要

2006年に制定された「住生活基本法」を背景に,平成22年に制定された「長期優良住宅に関する法律」は,これまでのスクラップ&ビルドの「フロー消費型社会」から、いいものをきちんと作り、手入れをして長く大切に使う「ストック型社会」へ移行する起点なりました。
 本校5号棟は、昭和58年に建設されました。この44年間,その時々に似合った教育を行うため、幾度と改修工事を繰り替えし、現在総合制作実習の教室として活用しています。しかしながらこの教室は、ゼミ形式で取り組む総合制作実習を行うに不向きであると感じました。
その理由は,個々の学習スペースが手狭であること、殺風景であること、什器が不揃いでまとまりがないこと、不明な電線が多数あること、つまり、来客対応にも不向きであることが挙がりました。
 学生は希望する職種を設計,現場施工,施工管理とするメンバーで構成されました。そこで、テーマは,各々の希望する職種で取り組め「ストック型社会」に相応しい建築リノベーションとしました。
 このリノベーションの施工計画は、短期間で終わらせること、ゴミの削減を優先して検討しました。よって、極力既存の構造体を活かすこととしました、よって本工事は壁のみを施し、自然素材を用いて、明るさと温かみを演出します。
★技能・技術習得目標:
 本課題を通じて、建築リノベーションに係る計画、設計、施工、施工管理に関する一連の知識、技術、技能の習得を目指します。

成果

・総合制作実習室は、ゼミ形式で取り組み易い教室,来客者の対応も可能な教室になりました。
・木質材料をふんだんに使用し,材料の良さを活かした自然感があり、暖かみある明るい空間ができました。
・建築現場で求められる設計,施工,施工管理等の一連の作業が理解できました。
・内装施工に関する大工技能が習得できました。
★アピールポイント:
・現在は総合制作実習教室として使用している。よって、オープンキャンパスでは、実際の使用状況を含めて、総合制作実習の実績紹介と併せてゼミ形式で実施している雰囲気を紹介しています。
・学生の施工技術によって、校内の教室を現場さながらの施工方法とコスト管理、安全管理を意識し、営繕することができました。
総合制作実習室のリノベーション(H27)の画像1
写真1:仕上げ施工
総合制作実習室のリノベーション(H27)の画像2
写真2:珪藻土仕上げ塗
総合制作実習室のリノベーション(H27)の画像3
写真3:竣工写真1