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課題の要約
「曲面建築物の一般化と発展」 ?曲面建築物における設計・施工要領及び施工の一例? (H27)
大学校及び設置科
近畿職業能力開発大学校 建築施工システム技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
施工図書実習?、施工図書実習?、鉄筋コンクリート構造施工・施工管理課題実習
課題に取り組む推奨段階
応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術
躯体図作成・配筋詳細図作成・型枠加工図作成・鉄筋加工図作成・支保工計画・安全計画の技術、型枠加工・鉄筋加工のコンクリート打設の技能
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
本課題実習では,開発課題テーマ設定の条件である“標準課題の進展型”として、鉄筋コンクリート造曲面建築物の試行モデルの施工に取り組みました。標準課題では直方体状建物の型枠・配筋施工を行い、コンクリート打設は行いません。直線状の建物が曲面建物となることで施工難度がどれ程上がるのかを検証する目的のために、試行モデルを作製しました。このモデルは壁4面とし、壁下部は2次元曲面・壁上部は3次元曲面とすることでそれぞれの型枠・鉄筋の加工及び組立てを試みました。鉄筋加工は多角形または緩やかな曲線を再現するのに原寸図に当てたジグを何度も作り直しながら精度を上げていきました(図1)。型枠加工は、曲げ型枠の代わりに4mm単版3層重ねることで曲面型枠を作製しました。端太も曲線状となるため厚合板(24mm)をジグソーで切って作成しました。2次元曲面型枠は比較的難易度は低かったのですが、3次元曲面は2方向で曲面があるため、作りながら修正を加えることを行い(図2)、多くの時間を要しました。近隣の曲げ型枠工場への見学・技能指導を受けましたが、工場の職人からは、長い経験がないと加工はできないとコメントを貰いましたが、最終的には、完成できたことに驚かれていました。型枠建て込みに至っては、直線状の型枠と異なり、2方向に曲面のある3次元型枠はセパレーターを通すことが難しく多くの時間を要しました。
★技能・技術習得目標:
本課題を通して、曲面構造物の躯体図作成・配筋詳細図作成・型枠加工図作成・鉄筋加工図作成・支保工計画・安全計画の技術、型枠加工・鉄筋加工のコンクリート打設の技能の習得を目標としました。
成果
標準課題の進展型として、経験のないことをなすことができました。具体的には、試行モデルを施工し,それに伴う施工要領書および報告書をまとました。これらを基に,曲面建築物に関する施工を学生に伝えることができます。
★アピールポイント:
製作物は、学校の中庭にあり人目に触れます。他科の学生でも近づいて見学している風景を見ます。型枠・鉄筋の加工・組立て(図3・4)がアピールポイント点なのですが、コンクリート打設後はなくなってしまいます。無機質な曲面コンクリートだけが目に触れますが、曲面であることから印象も強く皆に興味を持っていただいているのだと思います。
図1 鉄筋曲げ加工
図2 3次元曲げ型枠加工
図3(上)配筋・図4(下)型枠建て込み
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