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課題の要約
都野津新四国八十八か所に係る取組み(H27)
大学校及び設置科
中国職業能力開発大学校 附属島根職業能力開発短期大学校 住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
建築構法、安全衛生工学、建築施工基礎実習、建築施工実習、建築測量実習
課題に取り組む推奨段階
専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術
木造軸組構法(伝統的構法・在来構法)に関する知識、瓦や内外装の知識や技能、工程管理・資材管理の実践力、安全作業能力、施工管理能力、大工作業に関する技能
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
島根県江津市都野津町にある「都野津新八十八か所」は、大正時代に四国八十八か所を参考に地元の有志で整備されたものであり、現在でも弘法大師の命日である旧暦3月20日の早朝から、町内外の人々が八十八ヶ所を巡拝するといったイベントなどが行われています。しかし整備してから80年以上が経過し、各お堂の経年劣化については見過ごせないものとなっています。
そこで当校で培った「ものづくり」の技術を活かし、倒壊の恐れのあるお堂を改修することを総合制作実習の目的としました。今回着手できない所については次年度以降に引き継ぐ事とし、今後のモデルケースとしてもらうことも目標としています。
★技能・技術習得目標:
この課題に取り組むことにより、設計から施工まで一連の工程を体験し、結果的に木造軸組みに係る施工全般の理解につながるものであると考えます。また建築業界は分業制であり、実務においてすべての工程を体験できる機会は皆無に近いと思われることから、今後の学生の職業生活において、貴重な財産になると考えています。その他にも実際の現場作業を経験することで、自らが考え行動し、発生する諸問題に対して自らで解決策を模索していくことができ、安全作業に留意した実践技術者としての技能や技術を磨きます。
成果
山の斜面ならびに崖沿いという、非常に足場の悪く作業エリアも狭い現場において、創意工夫を重ねながら施工を行い、結果として地元の方々に非常に感謝されるものが完成しました。建材についても既存の新建材等をほとんど使用せず、地元産の材料のみで施工しました。
★アピールポイント:
地元に80年以上残るものを自分たちの手で残せたことは、非常に誇りあることだと感じています。そのため耐久性については議論を重ね、いかに耐候性を高めるかを検討し、構造や使用材料の選定を行いました。今後も定期的にモニタリングを行い、腐朽の程度などを観察していく予定です。
図1 既存写真(改修前)
図2 躯体図面
図3 改修完了写真
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