教材名 振動モード解析の理論と実際
教材名2
教材ID 52
教材作成者名 松岡 昇
教材作成日 1998-10-31
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 機械系
業種名 工作機械製造業
職務名 振動診断技術
職務構成名 防振技術、最適設計
区分名 教材
職業名 機械技術者
 ■振動モ-ド解析の理論と実際 教材情報シート

【記入者】

松岡 昇  所属:富山職業能力開発短期大学校

【教材のねらい】

振動モ-ド解析は、新しく機械構造物を設計する場合だけでなく、現存する機械構造物において何か不都合な振動が生じた場合のトラブルシュ-ティングに対しても威力を発揮して、今や産業界で広く使われるようになり、多くの技術者が常識として身につけておかなければならない基盤技術になっている。

しかし、振動モ-ド解析法の理論や数学的知識、解析技法をあまり知らない人がいきなり振動モ-ド解析を行っても、難しくてなかなか前に進めないことが多い。本教材はこのような問題を解消するために、振動モ-ド解析法の理論編と実際編から構成されている。理論編の特色は理論をわかりやすく解説して、理解を深めるために随所に[数学的例題]と[参考事項]が設けられている。

実際編では市販の装置を正しく使い、信頼性のある デ-タを取り、その中にふくまれている現象を誤りなく理解して、振動診断、防振対策などに役立てることができるような内容にした。解析技法では構造体のワイヤフレ-ム形状定義、構造体支持、加振試験、振動検出器の取付、FFT操作および伝達関数計測、カ-ブフィット手法などを習得して、構造体の動特性を表すモ-ダルパラメ-タ(固有振動数、モ-ド減衰比、振動モ-ド形態)の同定法を理解する。

【内容】

第1編 振動モ-ド解析の理論

1.振動モ-ド解析の必要性

2.一般振動系の運動方程式の誘導

(1) ニュ-トンの第二法則
(2) ダランベ-ルの原理
(3) ラグランジュの運動方程式

3.マトリックスによる振動方程式の定式化

4.モ-ド解析法の基本的な考え方

5.有限要素法による固有振動解析

1 行列式探査法(ディタ-ミナントサ-チ法)
2 べき級数繰り返し計算法(パワ-法)
3 ヤコビ法
4 コレスキ分解法

6.モ-ド解析法

1 固有振動数解析
2 固有振動モ-ドの直交性
3 モ-ドの重ね合わせと正規化
4 モ-ド分離

7.実験的モ-ド解析法

1 伝達関数
2 伝達関数の極(ポ-ル)と留数(レジデュ)
3 伝達関数の表示法
4 減衰の特性と取り扱い
 (1) 減衰エネルギ
 (2)自由振動中の復元力と変位の関係
 (3) 強制振動中の復元力と変位の関係

5 減衰系の伝達関数
 (1) 構造物の減衰モデルと減衰マトリックス
 (2) 比例減衰マトリックス
 (3) 伝達関係の導出
 (4) 比例減衰マトリックスの作成法
6 伝達関数による実験的モ-ド解析法
 (1) 基本的伝達関数のグラフ(比例減衰の場合)
 (2) 伝達関数マトリックスと動剛性マトリックス
 (3) 構造物の応答とモ-ド計測
 (4) 伝達関数からのモ-ダルパラメ-タを抽出する方法
 (5) モ-ダルパラメ-タの推定法(カ-ブフィット法)

第2編 振動モ-ド解析の実際

1.振動モ-ド解析の実行

2.伝達関数の計測

1 伝達関数の計測法
2 伝達関数の計測システム
3 インパルスハンマ加振における構造体の保持方法

3.伝達関数の計測器

1 インパルスハンマ
2 圧電型加速度ピックアップ

4.梁の曲げ振動理論式

5.振動モ-ド解析の実験内容

1 構造体の各種材料定数と形状寸法
2 試験構造体の形状定義の作成
 1 1次元はり状構造体
 2 2次元平板状構造体
 3 ワ-クテ-ブル構造体(実機直立ボ-ル盤の主要部品)
3 実測伝達関数のデ-タ集
 1 1次元はり状構造体
 2 2次元平板状構造体
 3 ワ-クテ-ブル構造体(実機直立ボ-ル盤の主要部品)
4 モ-ドアニメ-ションのデ-タ集
 1 1次元はり状構造体
 2 2次元平板状構造体
 3 ワ-クテ-ブル構造体(実機直立ボ-ル盤の主要部品)
5 モ-ダルパラメ-タの同定
 1 1次元はり状構造体
 2 2次元平板状構造体
 3 ワ-クテ-ブル構造体

6.課題

【作者名】

松岡  昇    所属:富山職業能力開発短期大学校

【教材作成年月日】

平成10年3月31日

【セミナー時間数】

24時間

【体系図での位置】

業種名:工作機械製造業、電気・電子機器製造業等
職 務:振動診断技術
職務構成名:防振技術、最適設計

【レベル表示】

専門Ⅱ

【セミナー対象者】

工作機械、精密機器、ロボット、電気機器等の防振設計・防振対策に
従事している者

【教材形態】

1.開 発 形 態:指導員が開発
2.セミナ-の実施形態:技能・技術習得型+創造開発型
3.教 材 の 種 類:自作テキスト、自作実習教材、市販図書
4.補助教材:OHP

【参考文献】

1.わかりやすい振動モ-ド解析入門,倉部誠,日刊工業新聞

2.モ-ダル解析入門,加川幸雄,オ-ム社

3.機械のモ-ダル・アナリシス,大久保信行,中央大学出版部

4.モ-ド解析の基礎と応用,日本機械学会編,丸善

5.モ-ド解析,長松昭男,培風館

6.図説モ-ド解析入門,倉部誠,大河出版刊

7.モ-ド解析入門,長松昭男,コロナ社

8.振動モデルとシミュレ-ション,田中基八郎,応用技術出版

9.振動工学概論,明石一,共立出版

10.大学課程応用数学,高木亀一,オ-ム社

11.解析学概論,田中薫,学術図書出版社

12.技術者のためのマトリックス構造解析法,川井忠彦,培風館

13.有限要素法へのガイド,戸川隼人,サイエンス社

14.機械のための有限要素法入門,川井忠彦,オ-ム社

15.FORTRANによる有限要素法入門,戸川隼人,サイエンス社

16.松岡・西村・小田:モ-ダル解析法による軽量板振動のダンピング同定につして,  日本機械学会講演概要集,No.907-2(1990.10),pp.49-50.

17.松岡:実験モ-ダル解析法による軽量板振動のダンピング計測について
 (周波数領 域法と時間領域法の比較),
 日本機械学会材料力学講演会論文、No.910-71(1991.11),pp.313-315.

18.松岡・西村・小田:軽量板振動のダンピング同定と計測法について,
  職業能力開発報 文誌(報文),第2巻第1号(通巻3号)(1989),pp.65-71.

19.松岡:レジンモルタルの軽量ワ-クテ-ブルにおける動特性
  (第1報 実験モ-ダル解析法による評価),
  日本機械学会講演概要集,No.877-2(1987.11),pp.82-83.

20.松岡:レジンモルタル構造物のワ-クテ-ブルにおける振動減衰効果について,
  日本機械学会講演論文集,No.947-01(1994.3),pp.36-38.

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