能開大では,平成7年度の長期課程入学生から新しい訓練体制として,「系-学科」制を採用することになり,その入学試験がさる2月22日(水)に全国5ヵ所で実施されました。
この新しい訓練体制は,産業や社会の変化と技術革新に柔軟に対応できる職業訓練指導員等を育成するために適切なものとして導入されました。
具体的には,専門の学科目を専攻する前に,その系に関連する科学・技術・技能の共通的・基礎的な事項を学習し,そして,学科の授業の習得へと進みます。その基盤の上に卒業までの間にさらに専門分野を選んで工学・実技・指導力を身につけてもらうこととし,卒業時にはその分野で実践的な能力を持つ職業訓練指導員等として,世の中に送り出すことを目標にしています。
平成6年度の「全国総合技能展」が平成7年1月25日から27日にかけ,東京北の丸公園内にある科学技術館において開催され,開催中の3日間に多数の入場者で賑わいました。
能開大からは,主に下のとおりの6件の出品をしましたが,このほかに資料として,2年生が昨年の11月に公共職業能力開発施設を見学した際にまとめた感想文集,4年生の実務実習感想文集および能開大教員の学内外発表論文・講演集なども同時に展示されました。
なお,最終日には,三笠宮寛仁親王殿下がご臨席になり各コーナーをご覧になりましたが,「能開大コーナー」でも早川能開大校長によるご説明を熱心にお受けになっておられました。
モータの本質を短時間に効率よく学習するための機器である。モータ特性実験装置にパソコンによる実験支援機能を付加した構成で,実験手順や実験結果がパソコン画面や音声などにより支援されるので,初心者にも興味を持って正しい実験が行えるもの。能開セミナー等での使用により高い効果が期待できる。
エキシビジョンホールのフロアパネルに埋め込まれた発光体によって作り出される光の流れにより,会場内の人の流れを配慮の行き届いた人にやさしい流れに誘導するナビゲーションシステム。デザイン名古屋'94デザインコンペティション一席。
本誌第169号で既報。
乾漆技法を応用して造形した黒呂色仕上げの漆塗オブジェ。平成6年度神奈川県展入選作。
現代の交通機関として,鉄道への依存度はきわめて高いが,それを利用する際に用いられる時刻表は必ずしも使いやすいとはいえない。
本作品は,全国版の時刻表について情報検索という視点から,検索の簡易化を提案するもの。
平成5年度からの5ヵ年計画により進められているプロジェクト研究の成果物で,高年齢者の身体的・心理的特性に配慮したパソコン実務の訓練システムで,OA関連職種の職業能力開発等に活用するために開発されたもの。
神奈川雇用促進センターが実施する「ナイスワークセミナー」が3月6日から17日まで能開大内で開催されることになり,昨年に引き続き,能開大としては場所と機器を貸し出すことで,セミナーの実施に協力することとなりました。
このセミナーは,再就職を希望する女性のために用意されたプログラムで,円滑な再就職とその機会の拡大を図るものですが,今回能開大で実施されたセミナー(「仕事探しのノウハウ等」「ワープロ講座」)には,20名の女性が受講。久しぶりの学生生活(?)を送ることになります。
今日の職業能力開発も,過去に経験のない問題が毎日のように私たちにふりかかってくる時代は,かつてなかったでしょう。これに伴って,発想力・問題解決能力が強く求められる時代ともいえます。しかしながら発想力・問題解決という行動も各人千差万別で,ときどき誰もが持つ“この仕事の計画は・この問題の解決はこれでいいのだろうか?”という疑問に対して,また仕事の進め方について役立てるために,職業能力開発に関する発想力・問題解決を中心に平成6年度に初めて設定した研修です。
研修を進めるに当たっては,今後職業能力開発もますます企業との結びつきが強くなるということもあって,民間企業の第一線で職業能力開発を専門に担当している方を講師に招いて実施しました。
本研修は平成6年12月5日(月)~9日(金)までの5日間にわたって能開大,多目的・実習研修棟の501教室で行われました。
本研修コースは第1ラウンドから第5ラウンドに分かれていて,第1ラウンドは指導担当者の戦略的発想。第2ラウンドは発想力を高めるためのトレーニング。第3ラウンドは職場の問題解決。第4ラウンドはチーム発想(グループワーク)。第5ラウンドは成果の発表です。ラウンドを経るに従って発想力向上と職場の問題解決の手法が理解できるようなシステムになっています。
本研修は座学と演習で進められ,この研修を受講した研修員からは,「今後この研修を何度も開いて,職員全員に実施してほしい」「指導内容はもちろんのこと,指導者としての態度や心,訓練技法等についても大変勉強になった」などの感想が寄せられました。
本研修には,北は北海道から南は沖縄までの全国の公共職業能力開発施設の機械工作科,塗装科,OAサービス科,制御技術科,住居サービス科,金属加工科,訓練課長等を担当している県立の職業能力開発施設,雇用促進事業団立のポリテクカレッジ,ポリテクセンターの12名の方が受講されました。
研修員の方は職業能力開発の変革のため,職場の問題解決のために写真のように一生懸命にチーム発想のグループワーク演習等に励んでいました。
次に研修内容の概略を紹介しますと以下のようになります。
について発想力を高めるため・問題解決をするための基本知識についての講義を中心に進めました。
についての講義を中心に進めました。
ということで,演習を中心に進めました。
本研修を受講された全員の方が,研修成果を今後の仕事に活用していきたいと考えられているので,仕事の計画に,また問題解決等に大いに活用していただきたいと思います。
平成7年度の短期実践技術研修「発想力向上と職場の問題解決法」は平成7年12月4日~8日の予定で平成6年度と同じ講師に指導を仰ぐ予定でいます。
(第三研修室 植木 重男)