• 奈良雇用促進センター  相川 克壽

国際人材開発機構(IFTDO)主催の大全が毎年,各国持ち回りで開催されている。'95年度はフィンランド・ヘルシンキで開催された。日本ではすでに7年前,'88年度に東京で開催されている。日本からは中央職業能力開発協全の企画で各府県の能力開発関係者19名が参加した。そのうち,雇用促進事業団からは3名,分科会での発表者能開大の森助教授,ポリテクセンター関西の後藤部長,それに私の3名であった。

■大会の模様

今年の大全スローガンは『新時代におけるヒューマンネットワークを通じての人材開発』で,大会の構成は基調講演,研究発表の分科全,教育訓練施設・企業等の見学であった。

講演者・発表者の顔ぶれは企業の役員,経営コンサルタント,大学教授,国会議員等々で米国と地元フィンランドの人たちが多かった。

発表内容は市場の国際化,技術革新の速さ等を反映してマクロな視点から展開し,戦略的な経営政策を経てマンパワーの課題に入るが,人材開発の考え方や心の面に向けた話がかなりあった。4日間の大会期間中,基調講演を聞いたり好きな課題の分科会に出たが,各国の発表者の話の中に米国とならんで「JAPAN」がよく引合いに出され,評価の対象になっていた。

世界の中の日本の位置が実感できて心地よかった。しかし,残念ながら同時通訳のイヤホンをつけていたのは,われわれ日本人だけだった。

表1は全発表者のテーマを国ごとに再編したものであるが,その国特有のテーマは少ない。

表1
表1

ボーダレスは能力開発の国際化,拡大を求めたら,一方心の問題はますます働くことの充足度に収斂していくようである。

来年はIFTDO25周年に当たる。開催国はエジプト・カイロに決定している。本大全の他,ヘルシンキ,ストックホルム,オスロ,ベルゲンの歴史,文化にもふれる機会が得られた。

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