研修研究センター開発研究部においては,雇用促進事業団,都道府県立等の職業能力開発施設のニーズに対応するため,幅広い開発研究を進めていますが,前号に引き続き平成6年度のプ□ジェクト研究の取り組み成果を紹介します。なお,報告書,資料等については,広報普及室へご連絡ください。
能開短大のあり方を検討するための基礎資料を獲得することを目的に,卒業生および卒業生の就職先事務所を対象に調査を実施しました。その内容は卒業生はテクニシャンとしてどのようにキャリアを形成しているか,また,社会一般の能開短大教育への理解はどのようなものであり,どのように定着しているかを把握し,“教育機関"としての評価を明らかにするものです。分析対象とした有効回答は,卒業生調査については1346件,事業所調査については964事業所分です。
平成5年度作成の「異文化トレーニングマニュアル」について,その有効性を測定・分析し,より実践的なマニュアル作成のためのバックデータを収集するとともに,マニュアルの普及を促進することを目的として,OVTAの協力により実際に異文化トレーニング研修を行いました。
これまで開発してきた教材シリーズのうち「PC制御」「リレーシーケンス制御」を対象に,新たに外国人研修生や海外技術協力用として積極的な活用普及を図ることを目的としています。具体的には,これまで開発してきた教材についてテキストおよび映像補助教材の英語版を作成することです。3年計画で試行のための教材を現在作成中ですが,平成6年度は,併せて下記の成果物をとりまとめました。
全国の公共職業能力開発施設の訓練生の入校選考および選考基準についてその現状を分析し,公共の能開施設の今後の進め方の参考資料となるよう,調査研究を行いました。
情報システムの高度化・多様化の中で,情報処理関係の試験内容の変更,コンピュータカレッジの準則訓練化等の制度の改善が行われました。これらに対応した「情報処理人材育成用指導書」を開発し,能開施設等における指導内容,指導技法の質的維持・向上を図ることを目的としています。
管理・サービス系職種の能力開発については,ニーズが年々高まり公共職業能力開発施設においても最近では生産管理等各種訓練コースが設置されつつあります。しかし,この分野の能力開発に対応した適切な教材を見いだすことが困難な状況下にあり,この現状を踏まえ,公共職業能力開発施設の短期課程の普通職業訓練用として活用されることを目的に,経営科学シリーズ,生産管理および介護福祉サービスの3つの分野における教材開発と併せて指導員研修コース・能力開発セミナーコースの開発に取り組みました。
事業団で実施しているシステムユニット訓練について,訓練内容の充実,訓練生の履修効率のアップ,指導員業務の効率化を図るために,この訓練方式対応の教材の開発が望まれます。開発研究部においてはモデル教材のフォーマットとそれに準拠した5分野の中でいくつかのモデル教材を開発しています。
平成5年4月から訓練内容に訓練系基礎・専攻科目の考え方が導入されていますが,今後の教科書を改定していくうえでの参考資料とするため,既存認定教科書の内容と新訓練基準の教科目の照合,公共職業能力開発施設が認定教科書をどのように利用しているかについて調査しました。
なお,調査分析の結果は内部資料として,今後の教材改定等の業務に活用することとしています。