東京府中刑務所作業専門官の「内田直史」さん,お元気ですか。急にご指名いただきありがとうございます。内田さんとは能開大の福祉工学科で4年間過ごした仲間です。彼とは,4年間いろいろなことがあり,勉強もし(正直言うとあまりした覚えがない),遊びもし,時には喧嘩をしたこともあります。思い出せばいろいろありますが,週末に集まり朝まで麻雀をしたこと,野球チームを作って練習や試合をしたこと,酒を飲んで内田さんともう1人に迷惑をかけたことが特に記憶に残っています。
現在,私は約1年間お世話になったポリテクセンター小野田(大変皆様にお世話になりすばらしいセンターでした)から,平成8年4月付けで所沢にあります国立職業リハビリテーションセンターに赴任するよう命じられ,約8ヵ月が過ぎました。敷地内には厚生省の国立身体障害者リハビリテーションセンター(病院,更生訓練施設,入所者の寮,学院など)があり,現在勤務している国立職業リハビリテーションセンターがあり,その他に野球場,陸上競技場などがある広大な施設です。障害のある方々のために厚生省と労働省の施設が共存し,お互いが切磋琢磨し,一体的運営をしているすばらしいところです。
赴任当初は希望に満ちあふれ,頑張って業務をこなしていこうと思っていたのですが,すぐ問題に直面しました。それは,自分の職業訓練指導員という立場は変わらないのですが,対象者が健常者から障害者の方々に変わったことです。多少は大学で勉強したこともあり,やっていく自信があったのですが,勉強と現実は違うことを思い知らされました。特に一番戸惑いを感じたのは,訓練生とどのように接するか,また障害を持たれている職員の方々とどのようにお付き合いすればよいのかという点でした。ハンディキャップを背負われているため,こちらがすぐ手をさしのべて援助するほうがいいのか,それとも向こうから「手伝ってください」と言われないかぎり,何もしないほうがいいのかということでした(今思えば,何でこんなことに気を回していたのだろうと思いますが)。
結局は,昨年度ポリテクセンターで教えていた頃と変わらない姿勢でよかったのです。ただ,少しわかった気がするのは,ハンディキヤップを背負われているから,ほとんどできないのではなく,いろいろなことができる方々のほうが,むしろ多いということです。ですから特に「手伝ってください」と言われないかぎりは何もしないことが最善だと思いました。
ここに釆てから8ヵ月という短い時間の中で,今までお話したことも含め多くの経験をし,考えさせられることが多分にありました。現在はこの貴重な経験がいつかどこかで役に立つということを信じて頑張っています。
とりとめのないことをいろいろ書きましたが,誌面も少なくなりましたので次号の方の紹介に移りたいと思います。高畑君から私まで3回続いて平成6年度能開大の福祉工学科卒業生で回っているようなので,違う方を紹介したいと思います。
私からバトンタッチするのは昨年度同じ赴任先で1年間共に過ごしたポリテクセンター小野田の横山真樹先生です。彼とは同期で,一緒に遊びに行ったり,将来について話し合ったりした友人です。多趣味でいろいろなことを知っていると思いますので,きっと楽しい話を展開してくれると思います。