さる11月7日から8日にかけて,本校長期課程2年次生を対象とした特別教育「公共職業能力開発施設の見学および討議」が行われました。
これは,長期課程の2年次生が公共職業能力開発施設を訪問し,職業訓練の実際を見たり,職業訓練指導員から直接お話をうかがうことで,職業能力開発に対する認識をより深めさせることを目的としたものです。
本校長期課程では,職業訓練指導員の養成という点から学生の指導員志向を高め,その素養を積むために,特別教育について1年次から4年次までの間一貫したカリキュラムを組んでいます。1年次の「企業内教育訓練施設の見学」に続いて,今回の「公共職業能力開発施設の見学および討議」があり,さらにこれを経て3年次の「工場実習」,4年次の「実務実習」となります。
1日目は2年次生を6班に分けて,6ヵ所の公共職業能力開発施設を訪問し,公共職業訓練の実際に触れ,また,職業訓練指導員からお話をうかがいました。2日目はその見学をもとにして,能開大内でパネルディスカッション等を,さらに参加者全員によるグループ討議とポスター作成をしました。
特に締めくくりとして行われたポスター作成では,公共職業訓練を学生がどのようにとらえたのか,それが一枚の模造紙に表現されましたが,学生は職業能力開発とまたその担い手である職業訓練指導員への理解を深めることができたものと思っています。
さる10月6日,千葉幕張海浜公園で開催された「'96朝日ソーラーカーラリーIN幕張」(朝日新聞社ほか主催)に本校ソーラーカー同好会が参加,Aクラスで職業能力開発大学校3号が1位,同2号が3位となりました。
平成5年4月に校名が改正されてから4回目となる能開祭が,さる10月25日から27日にかけて開催されました。例年どおり模擬店のほか少林寺拳法部による「演武」や海外技術研修員による「国際広場」などの催しが企画され,多くの来校者で賑わいました。
機械保全セミナーの試行を実施
開発研究部では,近年の技術革新や産業構造の変化に伴う生産機械システム設備の保全を担当できる技術者の技能・技術の向上が望まれているため,昨年より機械保全に関するセミナー用テキストと実習機のセット教材を開発しています。
現在までの成果物には「機械保全テキスト(点検編)」「機械保全テキスト(機械要素編)」,そして実習機があり,今年度は「機械保全(電気一般)」「機械保全(PC編)」「機械保全(インバータ編)」「機械保全(サーボ編)」「機械設備診断(簡易編)」「機械設備診断(精密編)」の各テキストに取り組んでいます。
この開発の中で,教材の完成度を高めること,また,シームレスな知識,技術を習得するためのセミナー設計の調査,情報収集を目的として,10月17,18日「機械保全(点検編)」,11月21,22日「機械保全(電気一般編)」を,北陸3県(富山,石川,福井)の生産設備機械系企業の受講生を対象にセミナーを試行しました。
このセミナーは,機械のオペレータを対象に生産現場における製品加工ラインの実態に即したシミュレータによって,加工ラインのメンテナンス(機械保全),機械部門,電気部門,油・空圧部門等の保守点検が容易に行えるよう,従来とは異なったシームレスな知識,技術を習得してもらうためのモデル試行です。
セミナーの実施細目を表に示します。
試行の結果としていくつかの検討箇所がありましたが,テキスト・実習機とも高い評価を得ました。
当セミナーは,生涯職業能力開発体系をもとに次頁に示した体系図を作成し,拡大・充実させていき,さらに職業能力開発大学校の高度化研修の1つとして全国の職業訓練指導員を対象としたセミナーを実施し,全国展開をしていこうと考えています。