• リレートーク【2】
  • ポリテクセンター京都  飯出 和寛

横山真樹君ご結婚おめでとう。横山君とは能開大の産業機械工学科で4年間学生生活をともに過ごしました。4年生になって隣の研究室になってからは毎日夜中まで研究(?)に没頭した仲です。さて,今回は私のいる京都の嵯峨野・嵐山を紹介したいと思います。嵐山は京都市内とは少し趣の違った落ち着いた雰囲気の町です。

阪急嵐山駅を下車したら渡月橋を目指してください。渡月橋はあの写真で見る木造の橋です。写真で見ると“いかにも京都”という雰囲気ですが,実際にはアスファルトが敷いてあってバスも通れる大きな橋です。嵐山で一番の繁華街の通りに通ずる橋で,現在でも十分に橋として機能しています。渡月橋を渡ったらすぐの交差点を左折して保津川(桂川)沿いを歩きます。山間を流れる保津川を見ていると,何となく昔懐かしい気分になることでしょう。かつては貴族が船で遊興をしたそうですが,今日ではカップルに変わっています。川に浮かぶボートから,カップルのはしゃぐ声が独り身のあなたに冷たく突き刺さったら,そろそろ右に曲がる頃です。

亀山公園を抜けて丘を登っていくと,いつの間にか竹林に入っていることでしょう。昼間は視界が緑になって静けさが聞こえてきそうで幻想的なのですが,夜一人で行くととても怖いので注意してください(ちなみにエジソンは京都の竹で電球を作ったそうです)。丘も頂を越えて下りになってくると,眼下にトロッコ電車が走っているのが見えるはずです(それに乗って保津峡にいってみるのもいいかもしれません)。

左手に小倉池を見ながら先に進むと,いかにも嵯峨野・嵐山といった雰囲気の町に入ります。昔の京都はこんな感じだったのではないでしょうか。一番初めの交差点を左に行くと常寂光寺,さらに進めば藤原定家の百人一首で有名な小倉山二尊院です。小倉山からは京都市内を一望でき,夜景のきれいさを想像できます(ただし,小倉山は4時半までしか登れないので夜景を見ることはできません)。

小倉山で市内を一望したら,次は仏教寺。先ほどの道のつきあたりを右に折れます(左に行けば念仏寺があります)。ミャンマー風のお坊さんがたくさんいて,数ある京都のお寺の中でも異質なお寺です。その隣に宝筐院があります。宝筐院は白川上皇が開創し,楠木正行が菩提されています。宝筐院は秋に来てください。一度廃寺になっているせいか,赤と黄色の紅葉が絶妙に混じり合って,どことなくもの悲しい不思議な空間を作りだします。宝筐院を出たら仏教寺の参道を下ります。

そろそろ疲れた頃なので喫茶店にでも入りましょうか。仏教寺から300mほど下ったところに感じのいいお店があります。ここで一休みしたら今回の探索もそろそろ終わりです。最後に天龍寺に入ってみましょう。このお寺は,後醍醐天皇を慰めるために創設され,世界文化遺産に指定されています。昼間はお寺の中で精進料理を出してくれるので,一度味わってみると記念になると思います。さらに,このお寺の角の方に湯豆腐屋さんがあるのでここで夕食をとって今回の探索はおしまいです。

このコースでおおよそ4時間程度です。先にも述べましたが嵯峨野・嵐山は市内と雰囲気を異にしています。人口の少なかった昔の京都のにおいを感じられるはずです。嵯峨野・嵐山は季節ごとの趣をもっていますが,特におすすめは晩秋です。紅葉に染まった嵐山とそのほとりにある渡月橋,ぜひ一度見に来てください。

さて次回はポリテクセンー埼玉の松本和重さんです。松本さんには一昨年兵庫で大変お世話になりました。

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