• ポリテクカレッジ沖縄(沖縄職業能力開発短期大学校)岸本 進* ・成績処理システム委員会**

*  制御技術科

** 各科代表6名

1.はじめに

当校は開設5年目になり,応募定員も1995年度から30名と増えた。また次に示すように卒業要件も複雑になり成績処理業務が煩雑になっている。

卒業要件としては,

・156単位以上履修すること。

・出席時間が学科80%以上,実技80%以上あること。

・必修科目をすべて取得すること。

・必修科目を含め合計125単位以上を取得すること。

そこで成績の入力を簡素化し,成績表や各証明書を即時に印刷することを目的として,1994年12月に成績処理システム委員会が発足した。1995年度から使用して,現在も手直しをしながら使っている状況である。成績処理システム委員会での方針としては,今まで使用していたロータス1-2-3で成績処理システムを作成することになった。ネットワークを使ったオンライン成績処理システムはセキュリティーの問題があるので当分は使わないこととした。年2回の成績報告なので,学務課への成績報告はフロッピーディスクでの受け渡しとした。

成績処理システムを構築するために成績処理に必要な各様式のフォーマットを作成する必要がある。成績処理委員会で検討し表1の様式を作成した。

表1
表1

2.システムの概要

成績処理システムのハードウェアとソフトウェア構成は下記のとおりである。

  • ・パソコンPC-9821 AP2……1台
  • ・プリンタEPSON LP-8000S……1台
  • ・ハードディスク(脱着式 98ノート対応)
  • ・緑電子BLT-120(120MB)……2台
  • ・ロータス1-2-3 Ver2.4J(DOS版)

成績処理と他のソフトの使用区別は,脱着式可搬ハードディスクを交換することにより可能になる。ソフトはロータス1-2-3のマクロ機能を使用する。成績処理の概要は図1のとおりである。

図1
図1

【成績処理システムの概要】

  1. (1) 年度始めに入学名簿,科目コード表を学務課で入力する。学籍簿の入力は随時行う。
  2. (2) 各科,1~4期ごとの成績入力様式を成績処理システム(マクロ)で作成する。
  3. (3) 学務課が,フロッピーディスクに保存された成績入力様式を,各科の学生委員に手渡しする。
  4. (4) 各科の先生方が,所定の成績入力様式を呼び出して成績入力をする。所定のフロッピーディスクに保存して各科の学生委員が学務課に手渡す。
  5. (5) 学務課が,各科目の成績をフロッピーディスクからハードディスク(成績処理システム)に転送する。転送された成績を,マクロにより各学年,各科ごとに成績一覧表を作成する。
  6. (6) 各様式をマクロにより印刷する。

成績一覧表……卒業判定,進級判定会議用

成績個人表……年度末に学生全員に配布

成績証明書……就職用

科目別履修表…出席簿

3.成績処理システムのディレクトリ

成績処理システムは,脱着式ハードディスク(ノートパソコン対応)120MBに納められていて,約10年間の成績データを保存することができる。Aドライブには成績処理に使用するロータス1-2-3を組み込む。Bドライブには成績処理する5つの②プログラムファイルを置き,そのプログラムファイルはロータスのマクロ機能を利用したものである。そしてプログラムファイルで作成された各種証明書等を保存する④永久保存ファイルと,教員が採点した⑤科目別成績表のデータファイルを置く。

電源を入れるとAドライブの①メニュー表示になる。メニューから成績処理を選択すると自動的に②プログラムファイルのAUTO123.WJ3ファイルを読み込み,③初期メニュー表示になる。初期メニューから入学名簿を選択すると,②プログラムファイルの入学名原.WJ3プログラムファイルを読み込み,名簿入力画面になる。データ入力が終わると,④永久保存ファイルのB:\永久保存\95入学名.WJ3へ保存する。初期メニューへ戻るときは,メニューから1初期メニューに戻るを選択してAUTO123.WJ3ファイルを呼び出す方法をとっている。

4.メニュー表

初期メニューからの作業画面の例を図3~7に示した。

5.おわりに

成績処理システムは,1995年2月に作成して1995年4月から学務課で使用している。1992~1994年度の様式は,今回作成した成績処理システムの様式に合わせて作り直しているので,各証明書の発行に問題はない。成績処理システムを使用するにあたって問題が生じると,その都度プログラムを修正しながら現在に至っている。

業務が簡素化された点としては,以前に比べて各種証明書が即時に発行できるようになった。また1科50~60科目の成績をマクロを使って成績一覧表にしたり,個人成績表の印刷が即時にできたことがあげられる。

今後の検討課題としては,以下のとおりである。

  1. ① 留年生,休学生,退学生の成績入力は,その学生が入学した年度の様式に入力しなければならない。留年生,休学生の成績入力様式を科目担当教員に手渡すための業務に煩雑さがある。
  2. ② ロータス1-2-3がバージョンアップやWindows版に変更した場合,プログラム変更しなければならない。
  3. ③ 今後ネットワークを使った成績処理システムを構築する必要があるだろう。

 今回は,成績処理に使用しているマクロは,誌面の制約上省略する。

ページのトップに戻る