• リレートーク【1】
  • メキシコ職業技術教育活性化センター  後藤  豊

はい,バトンを受け取りました。山田守人さん,わざわざ太平洋を越えてメキシコまでリレーしなくてもいいんじゃないですか!

前走者の山田さんとはメキシコで一緒に仕事をしました。山田さんは2度目の海外派遣ということで,初めての私を公私ともに助けていただきました。


みなさんはメキシコ人のイメージは陽気で寛容,そして楽天的と思うでしょう。確かにそのとおりです。しかし,メキシコで生活をすると,この性格が非常に腹が立つことが多いのです。

例えば,パソコンを買って何曜日の何時に持って来ると約束をしますが,その約束の日に来れば上出来でいつ来るかはわからないのが普通,当然遅れるという連絡はありません。こちらから連絡を入れて「なぜ来なかったのか?」とか,「じゃいつ来るのか?」と問いかけると,言い訳けを散々して,今すぐ持って来るようなことを言いますが,ちゃんと持って来たためしはありません。実際,いつ来るかは不明です。明日かもしれない。明後日かもしれない。来ないかもしれない。一応,彼はれっきとしたセールスマンですが,日本のそれとは全く異質なものです。日本では信用問題になりますが,メキシコでは客も侍つことに憤れているのか,トラブルはないようです。メキシコ人の気の長さには,驚かされるばかりです。

現在,来墨されている短期専門家が,メキシコ人がよく使うフレーズ「アスタ・マニャーナ(また明日)」を,「アシタ・マニアウ(明日,間に合う)」と聞き違えたらしく笑わせていただきました。

メキシコ人は明日できることは今日やらない,日本人は今日できることは今日やってしまいたいところが最大のズレだと思います。

私にとっては,やはり気になるところでつい怒ってしまい,そのたびにカウンターパートは「なぜ,そんなに怒るんだ」と私に問いかけます。きっと彼らにとっては不思議なようで,私にすればますます憤慨するばかりです。

これで妥協しなければならないことが多く,順調に計画が進むとは考えられません。しかし,私は技術移転は「教える」ではなく「気づかせる」ことだと考えているので,少なくとも日本人とメキシコ人の考えが異なることを認識してくれればいいと思います。また,どんな状況の中でも,人と人の関係は信頼から始まるのではないでしょうか。そう言えば,某K氏はメキシコの職場の掃除のおばちゃんたちにも,絶大な人気がありました。それは日頃から笑顔で挨拶をしていたからだと思います。その中から信頼関係が生まれ,今でも「K氏は元気か」とか聞かれます。

こういった小さな積み重相が,お互いの信頼関係を築くのではないかと思います。

最後に技術移転では「焦らずに任国の人のぺースになるべく合わせること」が大切だと思います。


さて,次の走者は私のよき先輩である納富修己さんです。よろしくお願いします。

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