2023年3号「技能と技術」誌313号
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図12 フォークリフトのカメラ位置(丸印)図13 実際の撮影状況(被災者視点)図14 視点の違いによる同じ瞬間の映像図15 教材1(フォークリフト激突)を体験中-12-りビビる」「2回目から“出て来るな”と思って見てた」などの感想とともに,面白がって積極的に体験する様子が見られた。危険シーンの総集編ではなく,作成ポイントとしていた同じ危険についてくり返すだけのシンプルさに効果があったことが分かる。作成は,沖縄職業能力開発大学校 専門課程 物流情報科2年生の協力のもと行ったが,撮影内容や撮影方法などを考えること自体が安全教育になっていた。特に,どうすれば安全に撮影できるか考察したことが安全対策につながり,考えていた以上の効果が得られた。4.2. 安全な撮影方法安全確保のために以下の3つのことを検証し,計画を立て撮影を行った。(1)再現することができる不安全状態・行動か(2)被災する寸前で動きを止められるか(3)安全を確保できるか不安全行動の撮影は,被災者役だけでなく作業者や撮影者の安全を確保することが重要になる。そこで,作業を妨げないあるいは危険を伴わないよう,人と機械の挙動を検証・理解し,撮影位置の確保を行う必要がある(図12)。また,監督者を設置し,作業者役と被災者役の両方を視認し,指示と注意喚起を行い安全の確保に努めている(図13)。注意喚起のメッセージに応じて視線を移動させることで,いち早く中量ラックの影から出て来るヒトに気づけるなど,安全確認の意義を認識できる教材を作成できた(図14)。体験者からは,「思ったよ5.期待する効果

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