表2 2021年度のテーマとカリキュラムとの関連性表3 2022年度のテーマとカリキュラムとの関連性表4 仕様書への記載項目と観点ンサを採用した。また,2021年度からはDXの推進に取り組んだ。DXを推進する第一歩として,ダッシュボードを用いて重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator。以下,「KPI」という。)をリアルタイムに可視化する方法がある(7)。ダッシュボードとは,データを数値やグラフで視覚的に表現し,その他の情報と共に1つの画面にまとめることで,情報を一元的に把握可能にするツールである。ダッシュボードを導入することで,作業員が自ら進んでKPIを観測し,具体的なアクションにつなげることで,生産性を向上させることができる。そこで,検査データや環境データを可視化するダッシュボードの開発をテーマに盛り込んだ。2022年度は5つのテーマを設定した。設定したテーマとカリキュラムとの関連性を表3に示す。テーマ設定に向けては,バッテリ駆動によって持ち運ぶことができるタッチパネルコンピュータを採用した。また,2022年度はGXの実現に向けたカーボンニュートラルの推進にも取り組んだ。カーボンニュートラルとは,生産活動によって排出される温室効果ガスの「排出量」から,植林,森林管理などによる「吸収量」を差し引いて,合計を実質的にゼロにすることである。カーボンニュートラルを達成するためには,温室効果ガスの中でも特に排出量の多いCO2の排出量を削減する必要がある。CO2の削減に向けては,CO2排出量を把握し,再生可能エネルギーを導入し,省エネに取り組むことが重要である。そこで,ステーション稼働時のCO2の排出量を把握することをテーマに盛り込み,機器の消費電力を測定するワットチェッカーと低消費電力な電子ペーパー付きWi-Fiマイコンを採用した。-20-毎年,ロボットコースに配属された5から6名の学生に開発テーマを提示し,各テーマに1から2名の担当者を割り当てシステムの開発を行った。開発テーマの提示では,テーマ名と開発の目的,システムを構成するセンサやマイコン,そして簡単なシステム構成を提示した。また,システムの開発ではテーマごとに仕様書と作業計画を作成させ,プログラムの作成を行った。仕様書の作成では,「5W1H」,「ハードウェア,ソフトウェアの構成要素と通信方法」,「詳細設計と状態遷移」の3つの観点から内容が明確になるようにレビューを繰り返した。仕様書への記載項目と観点を表4に示し,実際に学生が作成した仕様書を図3に示す。4.仕様書と作業計画の作成
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