図5 オイル切れによる油圧装置破損図6 点検(測定)器具使用の練習風景図7 作業機PPCバルブ〈分解〉-5-また,学科で説明した装置は実技において実物の装置を使用して説明することで理解がさらに進むよう確認をしてもらいます。その際,装置を分解しなければ(機械に装着された状態では)構造が分かりづらいものも多数あるため,さまざまな装置を単品で準備し,装置の説明などで使用しています。さらに,現場や整備工場で交換した不具合部品を不具合サンプルとして多数そろえ,“なぜこうなったのか”,“どうすれば防ぐことができたのか”といった気づきや,それに対する解説なども教材に盛り込むなど,普段見ることができない装置の中身や構造も含め理解しやすいよう工夫を図っています。機械の点検では,2台のうち1台については私自身が図8に示す点検表をもとに各項目について機械の点検を行い,見るポイントや不具合が発生しやすい部位について,学科の復習も兼ねて説明しています。3-2 実技本教材は,受講者の方が本教材を使用し,自身の企業に戻ってから“振り返りができる”,“活用できる”という現場に即した教材をコンセプトとして作成に取り組んできました。そのため,“簡単すぎず”,“難しすぎず”といった課題設定となるよう工夫を図りました。当施設で実施する在職者訓練においては,施設が保有する建設機械(大きさの異なる2台の油圧ショベル)を使用して実施しています。機械の点検に入る前には,点検(測定)器具の説明と使用方法を習得するための練習時間を設けています。点検するのに器具?と思われる方もいるかと思いますが,点検には「目で見て良否を判断する部位」,「触診により良否を判断する部位」,そして「測定器具を用いて良否を判断する部位」があります。本教材は整備士向けではなくオペレーター向けの内容としていることから,使用する測定器具は専門的なものではなく,ごく一般的な測定器具を使用した点検(測定)内容として構成しています。
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