2023年4号「技能と技術」誌 314号
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図1 訓練用ドローン実機図2 訓練風景国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 藤田  学第4次産業革命の進展は目まぐるしく,日々新たな技術が生まれています。ロボット工学やAI,IoT多岐に亘り活用されています。各訓練校においても新しい技術を使用した訓練が取り入れられています。国立吉備高原職業リハビリテーションセンター(以下当センター)においても第4次産業革命に対応したさまざまな訓練を実施しており,その中の一つとしてドローンを活用した訓練を行っています。(図1,図2)当センターのドローン訓練の目標は,電気設備点検技能の習得になります。従来の点検作業は作業員が高所に直接登ったり,重機を活用したりし,直接目視で点検をすることが基本でした。ドローン技術が進んだことで,直接の作業ではなく,ドローンを活用し,実際に作業員が高所に移動しなくとも点検作業ができるようになりました。本教材は基礎的な操縦技術を習得することを目標に作成しました。本稿では教材の内容を解説すると共に,障害のある方のドローン分野での活躍,また今後の進展について述べたいと思います。-10-前述の通り,電気設備点検業務は作業員が直接作業を行うため,身体に障害がある方の就業が難しい分野でした。また,高所を広範に点検することは落下事故の危険もあります。ドローンであれば,作業員は地上からの操作で点検作業を行うことができます。障害のある方も,安1.はじめに2.ドローンは障害のある方の職域を拡大させる令和4年度職業訓練教材コンクール 特別賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事長賞)受賞ドローンの基礎,屋内での操作編電気設備点検(ドローン)

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