2023年4号「技能と技術」誌 314号
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主に,セミナー受講者の対象職種は,以下となる。・設計:意匠,構造・施工:技能系,施工計画・施工管理また,職業能力開発総合大学校基盤整備センターの分野における検索ワードでは,以下の5つに大別される。・建築施工・建築構造・建築計画・建築設備・関連九州能開大居住系では,建築計画・建築構造・建築施工を企画している。筆者が九州能開大居住系へ着任して驚いたのが,企画されているセミナー分野の中心が施工管理であることと,コースによっては定員を超える応募があるということである。これまでの建築生産の川下側となる施工・施工管理では受講生が集まりにくいという認識が覆った感があった。このように,施工管理セミナーのニーズの高い理由は,九州能開大居住系と地場の事業主団体との関係性が強いこととのちに知った。代表的な事業主団体は,以下の通りである。・名称:一般社団法人 北九州市建設業協会・住所:福岡県北九州市小倉北区・会員数(企業数):148本協会は,建設業における施工・施工管理を担う会員(企業)で構成されている。当校の居住系学生は,企業委託実習(インターンシップ)でお世話になり,就職先でもお世話になっている。就職に関しては,特に建築の冬の時代といわれ建設会社の倒産・廃業が相次ぎ新規雇用の厳しかった2000年代でさえも当校の学生を採用いただいた実績がある。そして,企業の人材育成には当校のセミナーを-14-活用する関係性である。実際に,会員企業からは,「OJTは企業内で実施するが,Off-JTはポリテクカレッジに期待したい」との声もいただいている。また,企業の行うリクルート活動においても「社員研修はポリテクカレッジで行う」とプレゼンテーションされている。従来,協会からのオーダーメードセミナーも実施していた時期もあった。協会事務局においても会員企業へのセミナー広報だけでなく応募の集約もしていただいている。居住系では,協会だけでなく会員企業とも顔のつながる関係である。ここまでの関係性は,居住系歴代の諸先輩方が長きに渡って築き上げたものであろう。九州能開大居住系セミナーは,地場の事業主団体に支えてもらいながらも年間計画数の実施には届いていない。セミナー内容の品質向上を図りながらも広報の充実・改善を模索している。ある時,企業から来校いただいた。北九州市建設業協会の会員企業である社長である。用件は,「福岡県建設業協会(*)」の機関誌「ひとまちふくおか」の企業紹介記事「活躍する若者たち」に当校居住系修了生が記載される旨の報告であった。(*)福岡県建設業協会・名称:一般社団法人 福岡県建設業協会(一般社団法人全国建設業協会を構成する都道府県建設業協会の一つ)・住所:福岡県福岡市博多区改めて名刺を確認すると北九州市建設業協会ではない組織名である「福岡県建設業協会北九州市支部長」とあり,程なく福岡県建設業協会との接点を見いだすことができた。これを縁に,福岡県建設業協会への紹介を依頼し,専務理事へつないでいただいた。後日訪問し,当校業務(学卒者訓練・在職者訓練)を説明するとともに,学生の企業委託実習・会員企業への就職について依頼し,会員企業宛てのセミナー広報の許可を得た。3.居住系セミナー分野4.北九州市における居住系事業主団体5.新たな居住系事業主団体

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