図3 セミナー風景ナー実施側からすると,これまで単発(指導員が異なることによる)だったセミナーを体系化するには,日程を時系列で計画する必要性と何よりもより多くのコース数が必要であることを痛感する。さて,九州ブロックでは,広域用セミナーパンフを北部・南部の2地域にて作成している。福岡県内施設としては,北部地域版(福岡,佐賀,長崎,大分)が該当する。また,福岡県内の機構3施設として,居住系を持つのは以下の通りである。・福岡職業能力開発促進センター・飯塚職業能力開発促進センター・九州能開大この3施設居住系におけるセミナーの体系化を提案したい。単発だったセミナーも数が集まれば迫力あるセミナー体系図となり,集客に対する課題解決の一助になるのではないか。ただし,問題点もある。それぞれの施設では,主となるのは離職者訓練・学卒者訓練である。セミナーは重要ではあるものの柱となる訓練業務が優先(教室・実習場・指導員)された中でセミナーの日程計画が進むことになる。よって,セミナー体系が時系列とならないこともあり得る。さらには,セミナーコースの施設間競合も生じる。九州能開大居住系では,ここ数年で建設業界向けのセミナー企画を大幅に変更してきた。(1)オーダーメードコースとレディメードコース以下の3コースである。日程的にはオーダーメード依頼元の意向により土・日を除いて連続させている。① 建築生産設計の実践技術② 建設現場管理実践技術(施工・施工管理・仮設計画図編)③ 建設現場管理実践技術(測量・仮設工事編)以下,直近5年間の経緯である。-16-・ 令和2年度まで:事業主団体向け(北九州市建設業協会)のオーダーメードコース(15名定員×3コース×3日間):年度により定員を超える・未充足があった。定員に満たない場合は,会員企業ではない企業に広報し定員を充足させた。・ 令和3年度:新型コロナウイルス感染の影響によりは中止となった。この間に協会外企業からのセミナー依頼の声を多く受けた。・ 令和4年度:オーダーメード・レディメード(3コース×3日間×2回)の開催とした。前年度のセミナー中止を踏まえて2回に分けての企画であったが分けることによる共倒れ(定員割れ)のリスクは覚悟した。定員を大幅に超えるコースもあったが,やはり偏りは生じた。問題点として,教室の確保・指導員の確保により学生の授業を大幅に変更することで対応を図ったがやはり混乱は生じた。・ 令和5年度:レディメードコースのみとした。定員は前年度のオーダーメード・レディメードを統合した形(30名定員×3コース×3日間×1回)で定員は2倍・指導員数も2倍を企画した(図3)。ただし,これまでの信頼関係のある従来のオーダーメードコースの対象企業を優先させることとした。結果は,3コースの応募は順に23名・24名・15名であった。居住系セミナーとしては多い感はあるものの数値的には定員割れである。なお,受講者は(修了者とも)は順に16名・21名・12名とさらに下がる。原因は直前キャンセルである。キャンセルの理由は,前述した建設業にありがちな現場の状況変化が原因のようである。7.おわりに
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