図1 構内情報配線システムの範囲千葉職業能力開発短期大学校 若林 革DXの進展にともなうデジタル技術の活用,GIGA スクール構想の実現に向けた動き,さらには,感染症の影響による急速なオンライン化の普及など,社会全体の情報通信化がより一層進んでいる。一方,通信インフラ整備に携わる技術者の不足や感染症禍における行動の制限等により,技能・技術を習得する機会が減少している状況であった。そこで,現状及び今後の通信インフラの進展を踏まえ,通信施工に携わる技術者や人材開発担当者等の技能・技術の習得や育成など,人材開発を目的としたデジタル教材を制作した。教材の構成は,動画,作業補足シート及びそれらを表示・選択するためのメニューで構成されている。本教材は,次のような活用方法を想定して制作している。○ 実習に際して,指導員が訓練生・受講生に対する解説・ポイントを説明するために活用する。○ オンライン訓練に際して,本教材の動画等を配信し,座学と合わせて活用する。○ 訓練生・受講生だけでなく指導員自らのスキルアップを図る目的として活用する。-1-情報配線施工における性能要件を示す規格として,情報配線規格がある。国内の施工現場において参照される規格としては,主に次の規格がある。① アメリカのTIA568-D② 国際規格のISO/IEC11801③ 日本国内のJIS X5150①のTIA568-Dは,民間企業の施工を中心に採用されている。②のISO/IEC11801は公的機関や欧州系企業の施工に多くで採用されている。③のJIS X5150は国内規格であることから官公庁関係などの施工で広く採用されている。[1]また,情報配線施工の現場では,構内情報配線規格に基づき設計・施工が行われており,規格の中で「構内幹線配線サブシステム」「ビル内幹線配線サブシステム」「水平配線サブシステム」の3つの配線サブシステムが規定されている。[2]教材の範囲としては,配線規格である構内情報配線システム(JIS X 5150:2016)における水平配線サブシステムとしている(図1)。1.はじめに2.教材の想定している活用方法3.教材の対象となる範囲令和4年度職業訓練教材コンクール 厚生労働大臣賞(入選)受賞構内情報配線施工に関するデジタル教材の制作
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