イルにすることで,教材を視聴・閲覧するパソコン等の端末にMicrosoft Officeなどの専用ソフトがインストールされていなくても,ブラウザの種類を問わずメニューを起動・表示することができる。また,動画は多くの端末で視聴可能なファイル形式であるMP4,作業補足シートはPDFとした。先述の通り,作業(学習)項目の分類としては,①端末処理(単位作業),②配線施工,③計測・評価の大きく3つに分類している。6.1 端末処理(単位作業)メタルケーブルの作業としては,ケーブルの終端に使用される8P8C(8極8芯)のRJ45コネクタであるプラグとジャックの加工になる。配線とピン接続はTIA/EIA-568規格で定義されており,T568A(A結線)とT568B(B結線)がある。国際規格のISO/IECや日本のJIS規格にはA結線,B結線の区別はなく,ただピンの対の割り当てだけが規定されており,どの対をどのように割り当ててもよいことになっている。そのため,本教材では現場で比較的よく使用されているB結線を採用した。また,部材のカテゴリとしては,規格上の標準であるカテゴリ6及び6Aの部材を採用している。特に,カテゴリ6Aについては,カテゴリ6に比べ伝送帯域が2倍の500MHzと非常に広い。そのため、ケーブル同士で起こる漏話であるエイリアンクロストークの影響を考慮する必要があること。また、無線のアクセスポイントやネットワーク接続可能な防犯カメラなどの機器を設置する場所で、電源の確保が困難な場合に利用されるPoE(Power over Ethernet)給電では、ケーブルの放熱の問題が懸念される。そこで,MPTL(Modular Plug Terminated Link)配線においては、シールドタイプの部材を採用している。光ファイバケーブルの作業としては,主にケーブルの接続作業としている。光ファイバケーブルの作業には,融着接続,メカニカルスプライス,コネク-4-タ接続がある。また,融着接続については,ケーブルの種類により使用する工具が一部異なることから施工現場で接続作業に使用されている0.25mm心線,0.9mm心線,4心テープファイバとした。6.2 配線施工メタルケーブルの作業としては,OAフロアの床下配線を想定した通線作業とパーマネントリンク(固定配線)作業としている。特に,パーマネントリンクについては,フロアに設置されたラック内のパッチパネルから端末が設置されるワークエリア内の通信アウトレット(TO)間を想定している。光ファイバケーブルの作業としては,幹線からフロアにケーブルを分岐する際に使用される光成端箱の処理となる。作業工程が多いことから,幹線ケーブルのシース部の処理と光成端箱内部での接続作業に分けている。6.3 測定・評価メタルケーブル及び光ファイバケーブルの配線施工後の性能評価となる。評価に際しては,フルークネットワークス社製のケーブルアナライザを使用している。この製品の特長としては,各種配線規格のリミット値が測定器に記憶されてことである。そのため,測定に際しては,敷設した配線の規格を設定することで,配線の良否が自動で判定できる。一方で,測定器に設定する配線規格の理解と設定が重要となる。誤った規格を設定して得た結果では,配線の性能を正しく評価することができない。本教材においては,アメリカのTIAの配線規格を用いて測定をしている。理由としては,ISO/IECやJIS規格よりも新たな規格化等の更新頻度が高く,本教材において測定・評価対象としているMPTL配線なども規格化(2020年時点)されているからである。この教材は,自分自身の記録,活用はもとより,利用していただくことを前提に作成した。6.作業(学習)項目7.おわりに
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