図5 DX推進プロセス図図6 推進パターンと対象スキル〈参考文献等〉よって解決すること,経営者がその取組をビジネス成果につなげていくことと整理した。3者が一体となって取り組むことが重要であることから歯車で表現することとした。DX推進事例集についてはさまざまな事例ごとに関わる人材とそのスキルを表現した。例えば,図6の推進パターン①(IoTの活用)では人手不足や老朽化設備等による生産品質の維持,安全な職場環境という課題の把握から,IoTセンサーによる異常検知やAIを活用した予防保全を行うまでのプロセスを表現している。自社が抱える同様なDX推進の課題解決に向けて必要となる人材・対象スキル,どのようなパターンがあるのかをイメージしやすくした。その他,DXにこれから取り組もうとする事業主に対する支援を想定し,その流れを事業主支援の例としてまとめている。-13-[1] 厚生労働省, ”第11次職業能力開発基本計画”, 厚生労働省, 2021, https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17632.html,(参照2023-12-28)[2] デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会, ”DXレポート2中間取りまとめ(概要)”, 経済産業省, 2020, https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf,(参照2022-12-28)[3] 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS), ”企業IT動向調査報告書 2022”, JUAS. 2022, https://juas.or.jp/cms/media/2022/04/JUAS_IT2022.pdf,(参照2022-12-28)[4] Erik Stolterman,” INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE”, 2004[5] 経済産業省, ”デジタルガバナンス・コード2.0”, 経済産業省, 2022, https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf,(参照2022-12-28)[6] 経済産業省, ”デジタルスキル標準ver1.1”, 経済産業省, 2023, https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/20230807001-e-1.pdf,(参照2023-12-28)今回はDXに対応した職業能力の体系の整備に資するための検討を行った。DXに関して特に中小企業においてはこれから取り組むことが想定され,機構においてはそれに関連した事業主支援について今後より一層展開されていくことが想定される。働き手一人ひとりがDXリテラシーを身につけ,そのマインドを持って取り組むことが重要である。本調査研究を整理すると以下のとおりである。・DXを推進する上において重要な役割を果たす人材とその必要なスキルを明確化し,「DX導入ガイドマップ」として取りまとめた。・上記に加え,DX推進のプロセスと各人材との関わりを表現した「DX推進プロセス図」,DX事例ごとに関わる人材とそのスキルを表現した「DX推進事例集」と組み合わせて,「DX導入ガイドブック」として取りまとめた。DXをはじめるには小さな変化を起こすことからでも実行することが重要である。今回の取組がその一助となることを期待する。最後に,本調査研究にご協力いただいた関係各位に対し、心より感謝申し上げる。4.おわりに
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