図8 プラスチックの流れ方図9 成形機から取り出した状態図10 組み立てた状態(今回の製品は,板厚の違いでこのような現象が発生している。)上記の方法で,もう一つ判明することがある。それはプラスチックが何cm3流れた場所で,不良が発生しているかである。テーブルの上に製品を置いたとき,テーブル面から製品の一番高い場所までの距離を「厚み」と呼ぶことにする。(「板厚」と区別するためである。)製品の厚みは,金型製作において作業工程などに大きな影響を与える。製品の厚みが厚いほど,入れ子の厚み,型板の厚みが増すことになる。それにより製品形状の加工時間がかかり,金型のポケット加工に時間がかかることになる。また金型の重量が増すことで,各部品の移動方法などを検討する必要が出てくる。16期生たちは,図9と図10にあるようなカエルのスマホスタンドを作成した。何か所かにヒンジを備え,成形後に製品を組み立てて使用する。これにより成形時には製品の厚みが薄く,製品使用時には高くなり見栄えのある製品になったと考えている。-17-6.1 使用したプラスチックとヒンジ形状今回使用したプラスチックは,ポリプロピレン(製品名:ノバテック,型番:MA3H,日本ポリプロ社製)である。ポリプロピレンは,「ヒンジ耐性(折曲げと元に戻すことを繰り返しても,ちぎれにくい性質)」に優れている材料である。今回の製品では,下腹部と両肩の3カ所にヒンジを配置している。(図10の折り曲げているところ)ヒンジ部分の断面形状を図11に記す。5.スマホスタンド6.設計時に工夫した点
元のページ ../index.html#19