図1 損益計算書の仕組み図2 貸借対照表の構造図3 資産と負債⑤ 当期利益:法人税等を引いて計算された利益です。⑥ 当期未処分利益:最終的に残った利益です。次に「貸借対照表」とは,企業の一定時点における財政状態を示す決算書であり,資産,負債,純資産の3つの要素から成り立っています。図2に示すように,貸借対照表は左側に資産の部,右側に負債と純資産の部があります。資産の部は「流動資産」と「固定資産」に,負債の部は「流動負債」と「固定負債」に分かれています。貸借対照表の見方については,以下のようになります(図3参照)。(1)資産の部企業が所有する資産を示します。資産の部は,流動資産と固定資産に分かれます。流動資産は,1年以内に現金化できる資産であり,固定資産は,1年以上の期間を経て現金化される資産です。(2)負債の部企業が抱える負債を示します。負債の部は,流動-21-負債と固定負債に分かれます。流動負債は,1年以内に返済しなければならない負債であり,固定負債は,1年以上の期間を経て返済される負債です。(3)純資産の部企業の純資産を示します。純資産は,資産の部から負債の部を引いた残りの部分です。貸借対照表の分析には,以下のようなポイントがあります。・流動比率:流動資産を流動負債で割った値で,企業の短期的な支払い能力を示します。・当座比率:当座資産を流動負債で割った値で,企業の即座に支払える能力を示します。・固定比率:固定資産を純資産で割った値で,企業貸借対照表は,企業の財政状態を示す重要な決算書です。また上記の比率は企業の健全性を判断する指標として活用されます。この貸借対照表で,特に職業訓練指導員の皆さまが見るべきポイントは,図3で示している,左右に示す点線の上下関係です。ザックリとした感覚ですが,資産の部(左側)の点線が,負債の部(右側)の点線よりも下側にきていれば,「健全」な企業運営を,上側にきていれば「不健全」な企業運営をしている見ることができます。細かな点は,専門的な書籍で確認していただければと思います。最後に「損益分岐点」についてご説明します。「損益分岐点」とは,図4に示すように企業が利益も損失も出さない売上高のことを指します。つまり,企業が費用を賄うために必要な最低限の売上高の安全性を示します。4.貸借対照表とは5.損益分岐点とは
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