2024年1号「技能と技術」誌315号
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図4 ワークショップ終了時の質問紙調査の結果(N =151)的に声をかけていた。」「あと少しで時間切れになるので,最後頑張ろうと声を掛けていた。」などのリーダーシップ行動に関連する記述が多くあり,その記述とコメントによって,ペーパータワーを通じてどのようなリーダーシップ行動に取り組めたのか気づくことにつながっている。相互フィードバックが終わった後に,ペーパータワーの制作2回目を実施する。ペーパータワー1回目と相互フィードバックを踏まえて,ペーパータワーの制作方法を改善したり,リーダーシップ行動を捉え直したりしながら,再度ペーパータワーを制作する。最後に,ペーパータワー1回目と2回目の高さの合計を示し,ペーパータワーを一番高く積み上げたチームに対して全体で拍手を送る。また,どのような作戦が,ペーパータワーを高く積み重ねるコツだったのか全体に共有する。また,ペーパータワーを高く積み上げるだけでなく,リーダーシップ行動をどのように取り入れたのか共有する。以上のプロセスを経て,ペーパータワーを活用したワークショップを実践した。受講者を対象にペーパータワーを活用したワークショップの評価を行った。質問紙調査は「とてもそう思う」「そう思う」「どちらでもない」「そう思わ-30-ない」「全くそう思わない」の5件法である。「ペーパータワーのワークはリーダーシップの理解を促した」の項目について,80%を超える受講者が肯定的に捉えているこのことから,ペーパータワーのワークは多くの受講者のリーダーシップの理解につながっている。「教員の講義はリーダーシップの理解を促した」の項目についても80%を超える受講者が肯定的に捉えている。このことから,ペーパータワーの前に事前に実施した講義はリーダーシップの理解につながっている。「ペーパータワーの難易度は,私にとって適切であった」の項目について,70%程度の受講者が肯定的に捉えている。このことから,受講者にとってペーパータワーのワークは多くの受講者にとってリーダーシップを学習するうえで適切な課題だったと思われる。一方で,10%の受講者については「そう思わない」「全くそう思わない」と回答している。これらの受講者について,ペーパータワーのワークの課題が難しかった可能性がある。ペーパータワーを制作するさいにうまく行かなった,チーム内でうまくコミュニケーションが取れなかったなど考えられる。本稿では,大学生を対象にしたリーダーシップ行動を紹介したうえで,リーダーシップ行動の獲得4.ワークショップの評価5.まとめ

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