2024年1号「技能と技術」誌315号
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表1 施行規則 普通課程の訓練基準 別表2機械系 機械加工科(系基礎科目のみ抜粋)表2 普通課程/訓練科目カリキュラム表機械系/系基礎学科/機械工学概論(機械要素部分のみ抜粋)職業能力開発総合大学校 職業能力開発指導法ユニット 新井 吾朗本連載は,4回にわたって近年の指導技術の考え方を紹介しています。前回は教育・訓練には両極をなす工学的アプローチ,羅生門アプローチがあること。両者を構成主義で取り持つ考え方があることを紹介しました。そして職業訓練では,その職業で技術が適用される場面を想定し,工学的アプローチでその場面に必要な能力を体系的に分析することで,技術的な項目だけでなく技術項目を場面に適用する能力を,適用する場面の実習をとおして構成主義的に指導することが適していること。職業訓練指導員の役割は,それを計画することであることを示しました。こうした考え方から,今回は,訓練では何を指導するのか,指導する項目(指導項目)を明らかにする基本的な考え方を紹介します。職業訓練の場合,授業で何を教えるか(指導項目)の決定は,職業訓練指導員に委ねられる部分が大きいと言えます。ここで職業訓練普通課程の指導内容を規定している訓練基準と学校教育の専門高校の指導内容を規定している学習指導要領とを比較してみましょう。いずれも「機械要素」を扱っている部分です。まず前回例示した職業訓練の基準を再掲します。-32-表1は施行規則で規定されている機械系・機械加工科の教科です。表2は表1に示される教科の内容を規定している訓練科目カリキュラム表(以下「訓練基準」という)です。表3は工業の専門高校で扱う科目「機械設計」の高等学校学習指導要領解説(平成30年告示)(以下1.はじめに2. 授業内容を適用する場面の想定 訓練基準と学習指導要領の比較授業計画は適用場面の想定に依存する指導技術の新展開 第2回

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