表3 高等学校学習指導要領「機械設計」(「機械要素と装置」部分のみ抜粋)「指導要領」という)の内容です。機械要素に関して同じような内容を規定しているにしては,一見して文書量が異なることがわかります。この違いは,指導要領では学習内容をどのような場面で使えるようになるかの想定が記述されていることによります。具体的には表3の下線部に示されているように,機械要素と装置に関する知識項目を暗記するだけでなく,これらを設計に適用するために必要な技術,課題の見つけ方,解決策の検討方法,改善方法を発揮する能力を育成することとしています。(なお,下線を示していない「~通して」の記述は育成する能力ではなく,学習方法を示していることに注意してください。)これに対して訓練基準では施行規則で,「機械加工」に関する知識を学習する科目として機械工学が設定されていることで,機械要素の知識項目を「機-33-械加工」に使うことを想定していることが推察されるにすぎません。そうなると機械加工に使う機械要素の知識をどのような場面で使う想定で指導項目を設定するかは個々の職業訓練指導員が検討する必要があるわけです。前章で示した訓練基準に基づいて機械要素の「(1)ねじの種類と用途」を機械加工に使う場面を検討すると,例えば次のように想定できるかもしれません。想定1:多数のネジが保管された場所から機器に取り付ける指定のネジを選択する,保守作業で機器に使われている既存のネジの劣化による使用の適否を判断したり,交換する場合にはそれがどのような規格のネジかを判断したりする。3.授業内容を適用する場面を想定しよう
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