表4 P:適用場面の想定の違いによるO:到達目標,C:指導項目,E:評価の違いまた繰り返しになりますが学習指導要領では,次の想定がされています。想定2:器具や機械などの設計をするこのように各種機械要素を使う場面を想定すると,想定ごとに授業で指導すべき項目や指導方法が異なることが想像できるでしょう。ここで,授業を計画するための基本原則の一つである「POCEの一貫性」を紹介します。POCEは,目的(P:Purpose),目標(O:Objectives),内容(C:Contents),評価(E:Evaluation)を表しており,授業を計画する際は,これが一貫している必要があることを示しています。授業計画(指導案)の中で,POCEは次のように表現されます。P:目的:授業を実施する目的。授業内容を「場面」に適用できるようになることが授業の目的となる。職業訓練の場合,「場面」は職業の中にある場面。-34-O:到達目標:授業で受講者が習得する能力。目的に示される職業の場面を「こなせる」ことが到達目標になる。C:指導項目:到達目標に到達するために指導する指導項目と指導方法。授業内容をさらに詳細に記述したもの。E:評価:到達目標に到達したことを確認するための評価方法。このPOCEの一貫性を適用して授業計画を検討すると,前章で示したふたつの想定では,ずいぶん異なる授業を計画することになることがわかるでしょう。表4はそれぞれの想定で授業を計画した例です。授業内容を適用する場面が,想定1ではネジの使用場面,想定2ではネジの設計場面を想定していて,これにより到達目標,指導項目,評価ともに異なっており,全く異なる授業が行われることがわかるでしょう。例えば受講者が将来,想定1の場面に遭遇することが予想されるのに,想定2の到達目標や指導項目,評価で授業を行えば,想定1の場面で求められる能力を発揮できないでしょう。逆も同様で4.POCEの一貫性
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