図6 オープンキャンパスで実習中の様子〈参考文献〉本教材を2023年度の実習と本校のオープンキャンパスにて実際に適用した(図6)。オープンキャンパスにおけるアンケートでは,「手順を追って丁寧に説明してもらえたので理解できた。」,「AIを思ったよりも身近に感じることができた。」等の意見があり,おおむね興味を持って作業できたものと思われる。本教材について,機械学習の典型的な処理手順の全体像を理解することに重きを置いて,高度なプログラミングや処理についてはブラックボックス化した。そのため,このままでは具体的なプログラミングを学習するまでの教材とはなっていない。処理内容をさらに細分化し,各処理内容のプログラミングを学習するための練習や課題を整備することにより,効果的に学習できる教材となるよう整備する必要がある。さらに,本教材は,機械学習の最も基本的な内容である教師あり学習を対象としており,教-4-[1] OpenCV Foundation, “opencv/data/haarcascades”, OpenCV Foundation, https://github.com/opencv/opencv/tree/master/data/haarcascades, 2024年1月31日参照。[2] OpenCV Foundation, “OpenCV modules Face Analysis”, OpenCV Foundation, https://docs.opencv.org/4.8.0/db/d7c/group__face.html, 2024年1月31日参照。[3] Google LLC, “Colaboratory へようこそ”, Google LLC, https://colab.research.google.com/, 2024年1月31日参照。[4] Google LLC, “Google Drive”, Google LLC, https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/, 2024年1月31日参照。師なし学習やディープラーニング等のさらに高度な内容への発展を検討する必要がある。本研究では,Webカメラの画像内での顔検出と学習した人を判別する処理の手順を実装することにより,受講者に対してより機械学習の過程をイメージしやすい教材を実現することができた。さらに,本教材でクラウドサービスを利用することにより,実習環境のハードウエア環境の整備と,そのソフトウエア環境を含めたセットアップ作業を低減することができた。今後は,AI関連のさらなる高度な教育に資する教材となるよう検討する予定である。6.教材の評価と展望7.おわりに
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