2024年1号「技能と技術」誌315号
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表1 試行検証内容一覧⃝  就職相談や欠席届等の手続きが便利になる(オンラインによる手続き)。「訓練実施の効率化」➡ ICT活用による複合的な効果(指導の効率化,受講管理の効率化)⃝  習得時間(訓練時間)の短縮が期待できる(オンデマンド配信の活用)。⃝  多様な訓練受講者にも対応可能なデジタル教材の活用(ペーパーレスな訓練へ)。⃝  習得状況の管理が容易になるため,訓練受講者のレベルにあった訓練支援や就職支援ができる(個別最適化)。⃝  各種手続き(指導記録等)をデジタルで行うことにより省力化され,指導員は新たな技能の習得,訓練受講者への就職支援や事業主支援の強化を行うことができる。試行実施施設4施設において,6つの試行ケースで検証を行った。表1に試行実施の検証内容を示す。試行実施の検証内容の決定には,民間企業を含む教育機関,機構のポリテクセンターおよびポリテクカレッジへのヒアリング調査,機構指導員で構成するカリキュラム等検討委員会での意見を元に,以下の3つの観点を踏まえ,試行ケースを選定した。①従来の指導における課題の解決が期待できるもの➡技能訓練の場面での「できたらいいな」②汎用性が高く取り組みやすいもの➡複数の訓練科での活用が見込める③導入が可能なもの➡ 導入・運用コストを踏まえて,現実的に使い続けられるもの試行実施においては,以下のものを整備し検証する。⃝  ICT指導手順シート⃝  ICT利用マニュアル(機器セッティング・活用方法/デジタル教材作成)「ICT指導手順シート」は,訓練カリキュラムにおいて,ICT活用のねらい,指導内容におけるICT-6-の使用方法などを整理したものである。「ICT利用マニュアル」は,ICT機器やソフトウエアのリファレンスを補完し,訓練開始前のセットアップ方法,訓練への活用方法,デジタル教材の作成方法などを整理したものである。MR:Mixed Reality 複合現実XR: extended reality,cross reality AR,VR,MR等を組み合わせたもの【機械系-汎用工作機械作業で行った試行実施結果】汎用工作機械作業における実技指導技法を比較したものを下記に示す。〈従来の指導技法〉①資料や板書を使い,作業の流れを説明。②指導員の機械の周りに訓練受講者が集まり,指導員が作業を提示。③訓練受講者がそれぞれ自分の班の機械に別れ,作業を行い,わからない場合は指導員に質問する。3.試行実施検証内容4.試行実施結果

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