教材名 アナログ回路の活用
教材名2
教材ID 10
教材作成者名 菊池 清明; 藤森充
教材作成日 1997-03-31
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 電気・電子系
業種名 電気・電子部品製造業
職務名 制御システム、自動化
職務構成名 アナログ回路設計
区分名 教材
職業名 電気技術者
 
 ■データシート 
 
 
 
【記入者】
 
藤森充,所属:東京職業能力開発短期大学校
 
【教材のねらい】
 
 電子技術の発達と情報処理技術の進歩は、産業界における技術革新の推進力となってい る。マイクロコンピュータの普及やセンサデバイスの開発などによって、リモートセンシ ングや画像処理など新たな技術分野の展開が生じている。

センサとは、1つの系から他の系へエネルギを伝達する検出素子で変換回路を含む装置 の総称、または入力と出力との形式が異なる検出器のことをいう。従来は主に測定分野で の入力部として用いられた。センサの出力信号は、ほとんどが電気信号である。センサは 入力量である種々の物理量を電気量に変換する機能を備えているので、センサとエレクト ロニクスとは密接な関係にある。電気量に変換する理由として次の4点がある。

・微小量の測定ができる 
・情報処理が容易にできる 
・表示や記録、記憶の方法が多様 
・遠隔測定が正確かつ容易にできる 
センサの応用は、単に計測分野だけで利用されるのではない。制御技術と併用すること によって、あらゆる分野に応用される。センサにより得た周囲の情報を、コンピュータが 認識および判断するといった自動化機器が続々と開発されている。今後センサに対する社 会ニーズはますます増加するものと考えている。センサから得られる信号は、アナログ量 がほとんどであり、余り大きなものでないので、この信号を効果的に取り出すための増幅 をしたり各種演算を行うアナログ技術が必要となる。そこで、代表的なセンサについて学 ぶと共に、比較的多用される電子回路について実験を通じて理解することを目的としてい る。

教材の構成として、テキストに加え、実験用回路基板のモデルと使用機器が実験シート として提供されているので、この回路と汎用の測定器を用いて動作を確認することで理解 を深めることができる。また、実験内容の概要を紹介したビデオ教材を補助教材として提 供している。これによりあらかじめ回路の概要をつかみ、回路定数の変更などの実験計画 を立てることができる。さらに、応用回路の製作では、センサと各種回路を組み合わせ、 目的を持った回路を構成する例を示している。回路設計に関する考え方を理解するのに有 効である。

以上のように、本教材はアナログ回路設計の概念を受講者が実験を中心に理解し、各種 の応用回路への活用ができるよう配慮し制作したものである。

 
【内容】
 
◎テキスト:原理の解説と実験方法を示したテキスト 

1.OPアンプによる変換回路 

1.1電流-電圧変換回路 
1.2容量-電圧変換回路 
1.3電圧-電流変換回路 
1.4定電流回路の実験 

2.OPアンプによる非線形回路 

2.1交流の大きさ 
2.2理想ダイオード回路 
2.3絶対値回路の実験 
2.4対数増幅と逆対数(指数)増幅回路 
2.5コンパレータ(比較器) 
2.6シュミット回路の実験 
2.7乗除算回路と関数発生 
2.8乗除算器の実験 

3.波形発生回路 

3.1 CR発振回路 
3.2 CR発振回路の実験 
3.3 LC正弦波発振回路 
3.4サバロフ回路の実験 
3.5ファンクションジェネレータ 
3.6ファンクションジェネレータの実験 

4.センサデバイス 

4.1光源 
4.2光電変換素子 
4.3磁電変換デバイス 
4.4温度センサ 
4.5温度センサの実験 

5.送受信回路 

5.1 AM変復調回路 
5.2 PWM(パルス幅変調) 
5.3 PAM(パルス振幅変調) 
5.4変調回路の実験 

6.電源回路 

6.1各種電源回路 
6.2原理 

7.通過赤外線センサ回路の製作 

7.1構成 
7.2基板の製作

◎実験シート:目的、回路図、実験項目、使用機器、パーツリスト、部品面シルク図、は んだ面パターン図からなる実験を補助するシート 

実験1非反転型定電流回路 
実験2全波直線検波回路 
実験3ヒステリシスコンパレータ 
実験4乗除算回路 
実験5 CR移相型発振器 
実験6ウィーンブリッジ型発振器 
実験7ファンクションジェネレータ 
実験8パルス振幅変調

◎ビデオ教材:実験回路の動作概要を紹介した教材 

VHS仕様 
・定電流回路(3:58) 
・絶対値回路(4:08) 
・シュミット回路(3:26) 
・乗算回路(4:33) 
・CR発振回路(4:50) 
・ファンクションジェネレータ(3:36) 
・パルス振幅変調(3:52) 
・通過赤外線センサ回路(6:50)
 
【作者名】
 
1菊池清明,所属:東京職業能力開発短期大学校
2藤森充,所属:東京職業能力開発短期大学校 
 
【教材作成年月日】
 
平成9年3月31日
 
【セミナー時間数】
 
24時間 
 
【体系図での位置】
 
業種名:電子回路設計
職 務:制御システム、自動化
職務構成名:アナログ回路設計 
 
【レベル表示】
 
専門2
 
【セミナー対象者】
 
電子回路の基礎知識を有している者
 
【教材形態】
 
  1. 開発形態:複数の指導員が開発 
  2. セミナーの実施形態:技能技術開発型 
  3. 教材の種類:組み合わせ教材

  4. 自作教材(テキスト)、自作教材(実験用プリント回路板)
    自作副教材(実験シート) 
  5. 補助教材:ビデオ(実験解説用) 
 
【参考文献】
 
伊藤、木俣、難波:「最新半導体素子入門」、誠文堂新光社(1971) 
角田秀夫:「オペアンプ回路とその解析」、東京電気大学出版局(1982) 
電子展望編集部:「最新オペアンプ活用技術」、誠文堂新光社(1973) 
日本電子工業振興協会:「アナログIC応用ハンドブック」、工業調査会(1976) 
横井予次郎:「リニアIC実用回路マニュアル」、ラジオ技術社(1975) 
平井平八郎:「工業電子計測便覧」、日刊工業新聞社(1970)
 
【注意事項】
 
本教材は教材の構成例(モデル)として提示したものである。したがって、カリキュラ ムの目的に対しての必要な技術分野すべてを網羅していないことを考慮していただきたい。 特に、送受信回路、電源回路に関しては、原理の項目、実験の項目ともに追加の必要があ ると考えている。 
 
 

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