- インバータ及びモータの設置及び接続
- インバータパラメータをデフォルト値に設定
- テキスト等の準備
- インバータスクール インバータ応用コーステキスト
(三菱電機(株)が制作・販売)
- 受講生名簿
- 入り口看板の記入
- 自己啓発支援のための相談シートの準備
1日目
準備:テキスト
09:15 はじめに
- 挨拶
- 自己紹介
- 喫煙場所,トイレ等の案内
- 教室での飲食,喫煙禁止の案内
- 昼食の案内
- 日程の説明
- テキスト等の確認
- 受講生のレベル確認
(受講に対する前提知識があるか確認)
09:30 セミナー教材の説明
- インバータの導入効果と長所、短所について説明
導入効果や長所として、機械や装置を自動化して省力化、生産性向上を図り品質を向上させる為には、生産する種類、材料などに適した速度での運転制御が求められているし、工程が複雑になるに従って装置相互間の強調運転も重要になってきている。また、大きな省エネ効果も期待できることなどを理解させる。
短所としては、運転効率が数%低下することや、商用電源での運転に比べ、振動や騒音の問題があることなどを中心に理解させる。
10:00 インバータ駆動時のモータ特性(テキストP1~P17)
- モータの種類
交流可変速電動機について、誘導電動機、同期電動機、交流整流子電動機等に分類し速度制御方式の概要を理解させる。
- モータの構造
インバータでは特に低速域での冷却効果が低下することから、種類と構造を理解させる。
- 基本特性(トルク・電流カーブ)
ある負荷時において、モータの発生トルクと負荷トルクがつり合う点で速度が落ち着く。発生トルクは回転磁界の強さの2乗に比例し、滑り
角周波数に比例するので、印加電圧を制御すると速度も変わることなどを理解させる。
- インバータ駆動時のトルク・電流特性
インバータ運転では周波数の低いところからゆっくり増加していくので、滑りは小さい状態で加速できることから電流特性も商用運転に比べ大きく異なることを理解させる。
- 標準モータをインバータ運転する(変速時の電圧可変の意義と特異点)定格電流は印加周波数と電圧が高いほど小さくなり、インバータ運転では商用電源の場合に比べおよそ10%大きくなること、及びモータの温度上昇との関係について理解させる。
10:45 休憩
10:55 ・V/fパターンとトルクブースト
モータに加える周波数と電圧を同時に変化させると同一電流値で同一トルクが発生するので、トルク一定の可変速運転ができることを理解させる。また、トルクブーストの意義とこれが低周波領域でモータの振動・騒音・過電流などの原因になることなどを理解させる。
11:15 インバータ原理と加速・減速特性(テキストP18~P48)
- インバータの原理(電圧形のPAM・PWM・正弦波近似PWM方式)
直流から交流を作り出す方法を理解させ、電圧型インバータの各種制御方式について説明する。
- キャリア周波数と漏れ電流
キャリア周波数の意味とモータの振動・騒音、漏れ電流の関係について説明する。
- パワー素子として使用される半導体素子
(サイリスタ・GTO・G-TR・パワーMOS-FET・IGBTなど)
各種デバイスの特徴と用途について説明する。
12:15 昼食
13:00 ・コンバータ部の動作(コンバータ・平滑コンデンサ・突入電流抑制回路)
コンバータの動作原理や平滑用コンデンサと突入電流抑制回路の働きについて理解させるとともに、突入電流抑制回路の開閉寿命に及ぼす影響等についても説明する。
- コンバータの交流入力電流(高調波を含んだ歪波形)
モータ運転時の交流入力電流の状態を説明し歪波電流となることを理解させる。
- インバータの制御方式(V/f制御・磁束ベクトル制御・ベクトル制御)
V/f制御・磁束ベクトル制御・ベクトル制御のそれぞれの特徴について理解させる。
- オートチューニング機能
オートチューニングの意義について理解させる。
- 保護機能の目的と種類およびリセットの方法
インバータの保護機能とは、ほとんどがインバータ自身の保護であるが、各種電圧・電流による保護機能の動作レベルの説明と誤動作対策、及びリセットの方法と注意点について理解させる。
- インバータによる始動・加速(ストール防止動作)
過電流によるストール防止機能や、始動時のトルクブースト・周波数ジャンプの設定などインバータによる始動・加速運転上の設定事項について説明する。
14:30 休憩
14:40 モータ及びインバータの容量選定と運転方法(テキストP49~P82)
- 容量選定の考え方(運転方法によるインバータの定格出力電流)加速・定速運転時と減速時のインバータの能力の考え方やインバータ運転におけるモータ容量とインバータ容量の選定上の注意点、1台のモータを運転する場合から複数のモータを運転する場合などのインバータ容量の考え方及び始動方法を理解させる。
始動から加速、定速運転、減速そして停止という一連の運転パターンにおいて、各過程における選定上の要点や注意点について説明する。
容量の選定に当たっては、モータ容量を決定してからインバータの容量を決める。モータ容量は加減速時間や負荷の慣性モーメント、負荷トルクの大きさなどの条件で決まる。それらを基に連続運転やサイクル運転、昇降運転などそれぞれの選定フローチャートに基づき検討していくが、容量選定ソフトの活用が普及していることを説明する。
16:00 終了
2日目
9:15 インバータ容量選定ソフトウェアについて
容量選定ソフトウェアを使用すると、手計算に比べ確実にしかも計算時間を短縮して結果を出せるが、計算結果は理論値で実際の容量選定は余裕、機械の経年変化による負荷変動などを考慮して決定していくものであることなど理解させる。
9:45 インバータ電源(テキストP83~P104)
高調波とノイズの違いを説明し、インバータより発生する高調波の影響について理解させる。
社会問題になりつつある電源高調波についてその対策ガイドラインを紹介し説明する。
高力率インバータの採用やAC・DCリアクトル、力率改善用コンデンサ設備、ACフィルタの設置など高調波抑制方法について説明し、効果を理解させる。
10:30 休憩
10:40 ノイズについて(テキストP105~P116)
- ノイズの発生原理
ノイズ発生源を理解させる。
- ノイズの種類と伝播経路(空中伝搬・電磁誘導・静電誘導・電路伝搬)
各種ノイズの種類と経路について説明する。
- ノイズ対策
各種ノイズフィルタ・ノイズカットトランスなどの具体的対策事例を基にノイズ低減対策と処理法を説明し理解させる。
キャリア周波数と漏れ電流、漏れ電流の種類と経路を説明しその対策を理解させる。
感電防止用接地やノイズ防止用接地について接地の目的と方法について理解させる。
11:10 インバータ使用上の諸問題とその対策(テキストP117~P132)
インバータを設置する環境と使用条件により信頼性と寿命に大きく関係することから、環境と設置条件・配置条件及び留意事項について理解させる。
主回路・制御回路・ノイズフィルタやブレーキユニット等の配線について結線を中心に理解させる。
12:15 昼食
13:00 周辺機器とオプション(テキストP133~P139)
汎用インバータをより効果的に使用するために使用する周辺機器の種類を説明し、運転操作、出力信号、力率改善、ノイズ対策、制動力、応用運転、取り付け等の面から適合オプション例を紹介し理解と効果を理解させる。
13:30 保守・点検(テキストP140~P149)
半導体素子を中心に構成されたインバータを使用環境の影響や使用部品の経年変化、寿命などから発生するトラブルを未然に防止するための保守・点検について、点検項目や注意事項、部品交換について説明し理解させるとともに、異常停止時のパラメータユニットの表示と点検や異常現象とチェックポイント、保護機能について再確認をさせる。
14:00 実習装置の説明及び操作法
インバータ実習装置とパラメータユニットによる操作法について理解させる。
14:30 休憩
14:40 負荷を変化させてのインバータ運転実習による特性確認
モータ負荷を変化させて運転し、各種パラメータの設定値を変更することによるその働きの違いを体験させることによって、習得した知識を実習を通して確認させる。
15:40 質疑応答及び総括
15:55 修了証授与
16:00 終了 |