教材名 計測・制御における通信プログラム作成技術
教材名2
教材ID 209
教材作成者名 谷本 富男
教材作成日 1998-04-01
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 電気・電子系
業種名 電気・電子部品製造業
職務名 コンピュータ制御システム
職務構成名 コンピュータ制御応用
区分名 教材
職業名 システムエンジニア
 
指導案
【使用教材・資材一覧】
 DOS/Vパソコン(10BASE?T イーサーネットカード付き)
 モデム(OMRON ME3314B)
 電話疑似交換機
 シーケンサ(OMRON CV500)+イーサネットユニット
 HUB(アライドテレシス MR820TR)
 MAU(アライドテレシス 210TS)

 WindowsNT4.0+SP3
 Visual Basic 5.0
 Visual C++5.0
 サポートソフト(OMRON CV500シーケンサ用)

【訓練事前準備項目】
 サンプルプログラムを受講者用パソコンにコピー
 モデム、電話疑似交換機、シーケンサ等の設置
 シーケンサのラダープログラムの作成(最初のみ)
 シーケンサのネットワークの設定(IPアドレス、デフォルトゲートウェイ等)
シーケンサの動作確認(プログラムとネットワーク)
 パソコンのネットワーク設定(TCP/IPプロトコル、IPアドレス等)
 受講者用サンプルプログラムの動作確認
 テキストと補助資料の印刷と配布

 テキストは以下のファイルで構成します
  通信テキスト.doc 、TCP通信編.doc、DCOMによる通信.doc

 補助資料は以下のファイルで構成します。
  シリアル通信.ppt 、TCP通信.ppt 、分散COM.ppt 、モデムとシーケンサのマニュアルの必要な箇所のコピー
 

【指導展開法】
 パワーポイントファイルのノートに記載(表示メニューのノートで表示される)
 
 

教科の細目 指導のポイント
はじめに 配布テキストと資料の確認
受講者へ質問
  ①仕事の経験(FAシステム構築)
  ②職場でのネットワーク環境
  ③VBやVC++でFAプログラムを作成した経験は有りますか
  ④Windows95、NTを日常的に使用していますか
  ⑤シリアル通信プログラムを作成したことが有りますか
  ⑥モデム通信プログラムを作成したことが有りますか
  ⑦ソケットインターフェースを使用したプログラムの経験が有りますか

セミナーの目的を説明する
 オープン化によりFA分野にもパソコンが浸透しつつある事
 インターネット技術がFAシステムにも影響を与えていること
 コスト削減、納期短縮を実現するには、データの標準化及び共有とシームレスなネットワーク化を実現し、消費者ニーズを生産システムに反映させて即対応できる体制を整える事である。

制御システムの変遷 制御システムの変遷を解説し、次にコンピュータ技術の変遷と対比して解説する。
コンピュータ技術が積極的に制御システムに取り入れられて来たことを解説する
現在のインターネット技術がコンピュータ技術の中心で、今後制御システムにも影響を与えることが予測される。
家電機器には、インタネット対応製品が計画されている。
また、FAシステムのオープン化、ネットワーク化、GUI化、に進もうとしています。
計測・制御におけるトレンド(キーワード) 以下の内容を解説する
制御システムは従来の高速性、信頼性重視だけでは競争に勝てない。
低価格化、使用性、システム構築性などの必要な要素も求められてきている。
その対応のキーワードが矢印と考えられる。
生産現場に使用されるプラットフォーム 生産現場にも意外とパソコンが使用されている。
今後、このカーブが急になると予測される。

コスト削減とネットワーク化に対応するシフトが見られる。
DCSにはWSからパソコンが入るようになった。(コスト削減)

FAコンピュータは死語になり、FAパソコンと言う言葉が使用されている
PLCはパソコンに挿入して使用するソフトウェアPLCも製品化されて注目されている。

WSの標準OSであるUNIXもパソコンに乗っかるLinux、FreeBSD等のフリーUNIXで生き残りを図っている。

NC機械も専用機からパソコンNCを中心にシフトしている。

国内サーバマシンの出荷台数 サーバ市場と見ると、PCサーバの出荷台数が伸びている。
PC普及の背景と問題点 オーブン化によりFAシステムにパソコンが使用される事には、メリットとデメリットが存在することを解説する。
制御システムのネットワーク構成 ISOの提唱するCIM化の階層モデルです。

現在セルレベル以上のネットワークでは、イーサネットベースのネットワークが主流となるのが確実視されています。

セルレベルより以下は乱立状態で、主流が国レベルや地方レベルで異なっている状況です。

LANの使用環境の違い 一般的にFA用のLANとOA用のLANでは使用環境の違いが指摘され、それぞれ独自に発展してきたと言えます。
セルレベルの通信1 制御システムの通信の現状を説明する。
セルレベルの通信2 FAイントラネット推進協議会ではインターネットのWWWや電子メール、SNMPなどの技術をFAに活用する事を検討しています。

OPCはWindowsで確立されたOLEの機能をネットワーク上でFAやPA分野に使用する事を検討しています。

FL-NETはトヨタや日産自動車がFA機器メーカに要求を出した通信仕様で、インターネットのUDPのプロトコルを使用した内容です。 リアルタイム性を確保するためにCSMA/CD方式ではなく、トークン方式を採用しています。

フィールドレベルの通信 現在、フィールドバスの市場は乱立状態で、各方式でオープン化によるマーケットの拡大を目指している。 標準化され統一化されるには時間がかかりそうです。
国際的に見ると、ドイツのInterBusとLonWorks、ProfiBusがシェアーの大半を占めていますが、国内的にはCC-Link、米国内ではDeviceNetの様です。

フィールドバスに必要な条件
 オープン性(各層を通じての一貫性)
 ネットワークプロトコルの効率(伝送スピード、伝送効率)
 各デバイスに対する柔軟性
 設置、メンテナンス、診断が容易
 省配線
 

フィールドレベルの通信の歴史 最近、新聞や雑誌で「世界標準」「国際標準」あるいは「グローバルスタンダード」と言った言葉をよく目にする。 一言で言えば産業技術から金融・経済まで幅広い分野において世界共通のルールを作り、その中で自由競争を展開しようとする物である。 それは参加するだけでは意味がなく、あくまでも競争に打ち勝たなければ淘汰されてしまうという厳しい競争の原理に基づいていると言える。 この点日本と言う国は国家経済・産業技術の点で長い鎖国状態であったと言っても過言ではない。
 標準化には力のある企業が企業独自の戦略に基づいて標準仕様を開発し、市場原理に基づいて業界標準として仕様の共有化が行われ、結果として市場競争に打ち勝った物が標準となる業界標準(DeFact Standard)と、技術の黎明期において将来の使用環境を想定して顧客満足(CS)原理に基づきISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気標準会議)のような公的機関が標準規格を定め、その後実装仕様の開発と商業化が進められるデジュールスタンダード(Dejoule Standard)の2つに分けることが出来る。
ソフトウェアパッケージ 企業活動の中の広い分野にコンピュータが活用されて、浸透していることを紹介する。
 しかし、残念ながらがお互いの連絡はうまく行っていないのが現状で、それぞれが独立して稼動している現状がほとんどである。
 本当の意味でのデータの共有化が望まれる。
FA/PA用パソコンソフトの特徴 FA/PA用ソフトの標準的な機能を紹介する。
今後のFA・PAシステム ポイント
情報系と制御系のネットワークを接続することのメリットを解説する
  データベースによりデータの共有化と有効活用が可能
  制御系LANやG/Wを2重化し、強固にする。(障害、メンテナンスに対応)
  生産状況を情報系でリアルタイムに把握できる
  情報系の生産計画を即時に制御系に反映できる
  インターネットなどの技術により、リモートでの監視が可能になる
標準化の動き1 各標準化団体の概要を紹介する。
標準化の動き2 各標準化団体の概要を紹介する。
製造業のさまざまな機能と標準化 標準化やデータの共有化がいかに重要なことなのかを解説する
インターネット・イントラネット技術を利用した デジタル ファクトリ 今後、インターネット技術が応用されて、イントラネット、エックストラネットが構築されると、企業活動がどのように変わって行くかを解説する。

企業活動で発生したデータが無駄無く、迅速に、必要な部署で活用されて来る

サプライチェーン構想 企業間や顧客と企業間とのインターフェースを調整し、データの流れをスムーズにする事が、サプライチェーン構想である。
制御システムのネットワーク構成 生産システムの中のハードウェアに近い部分の制御では、リアルタイム処理を必要とする場合がある。

リアルタイム処理といっても、どの範囲をリアルタイムと言うかは、制御対象や人によってまちまちで、1μS以下の高速処理を要求したり、10秒以内でよい物などがある。

リアルタイムの必要な分野 リアルタイム処理を必要とする部分には、
 航空機の離発着時の制御や、ロケットの姿勢制御
 原子炉の核融合の制御や、異常が発生した場合の適切な処理
 自動車のタイヤのスリップ事故を防止するABS装置
 外国からミサイルが発射された場合の防衛システム
 新幹線の運転状況を制御し、列車事故の防止をする自動列車制御装置
など、まだ多くの部分で必要とされている。
リアルタイム処理の実現方法 リアルタイム処理を応答時間だけで判断すると、以上のようになります。
リアルタイム要求のハードな部分では、多機能、融通性を犠牲としています。

近年の技術革新により、ソフト寄りのシステムがハード寄りの部分もカバーしようとしています。

リアルタイム・オペレーティング・システム(RTS) リアルタイム処理を得意とする製品としてリアルタイムOSが各社から販売されていますが、特徴がそれぞれあるので、必要な要求を満たしているのかをよく検討する必要がある。

 タスク切り替え時間?
 スケジューリング方式?
 優先順位?
 割り込み?
 対応するハードウェア?
 OSの必要な容量?
 開発環境? デバッグツールはそろっているか?
 サポート体制?
 費用?

その他
 通信、GUI?

TSS-OSをリアルタイム化に拡張 TSS-OSの中には、リアルタイム性を追求した製品も登場しています。
どこまでハード寄りに対応できているかは、製品毎に違うので見極めが必要となります。

現在、リアルタイム性を要求する部分にも多機能が要求されつつあり、技術者不足や、システムの構築環境の効率化等の要求により、一般に使用されているTSS-OS資産を有効活用する方向へ進んでいます。

TSS-OS分野での特徴である、技術革新が急激、技術者が豊富、開発費用の軽減、ソフトウェア資産の再利用、ネットワーク技術の導入が簡単、ツールが豊富等に期待がかけられています。

WindowsNTエックステンションの動作方法には大きく2つに分けられます。
 1.WinNTと並行して別のRTOSを実行し、WinNTを優先順位の低いタスクとして扱う。(HyperKernel)
 2.HALを変更して、割り込みを傍受する。(RTX)

IntimeはiRMXのRTOSを使用し、HALも変更しています。

制御用OS別出荷予測 ARCレポート 制御用OS としてWindowsベースを採用した場合のメリット
① 開発環境(ツール)の充実
② 技術者が豊富
③ ネットワーク技術が充実
④ インターネット技術資産の活用
⑤ オープン制御システム構築と時間短縮とコストの軽減
⑥ OA系とのリンク性(資産の継承)
⑦ 最新技術の取り込み
⑧ オブジェクト指向の活用

デメリット
① 制御OSとしての実績(安定性)
② 制御システムのサポート(障害対策、ライフサイクル)
③ 制御システム(クローズ)としての資産の継承
 

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