カリキュラムモデル指導例

分類番号I704-

訓練分野

情報通信系

訓練コース

ＰＣ－ＵＮＩＸでつくるＩｎｔｅｒｎｅｔ　Ｓｅｒｖｅｒ

コースの目的・意義・背景

外部のコンピュータにつながっていないＬＡＮ環境（閉じた世界）の中で、ＰＣ－ＵＮＩＸ（Ｌｉｎｕｘ）マシン上に、ＷＷＷ、Ｍａｉｌ、Ｎｅｗｓ、ＦＴＰ各サーバを実際にインストールし、“イントラネット”システムを構築する（実習中心）。

実習はすべて、パソコンベースで行っている。手元に高価なＥＷＳがなくとも、実習可能である。

パソコンベースで、個人ユーザ向けのクライアント用ＯＳとしては、Ｗｉｎｄｏｗｓ９５／９８がポピュラーであるが、業務向けのサーバ用ＯＳとなると、信頼性の面から、ＷｉｎｄｏｗｓＮＴやＬｉｎｕｘ（あるいはＦｒｅｅ－ＢＳＤ）が用いられることが多い。とりわけ、インターネット／イントラネットサーバにおいては、信頼性に加えて、「安定性」の面からも、Ｌｉｎｕｘが使われることが多い。

インターネット／イントラネットが急速に普及しつつある現在、上述各種サーバのしくみを理解し、システムの基本的構築方法を習得しておくことは、これからの情報・通信系技術者にとっては、避けては通れない重要テーマとなろう。

教科の細目

指　導　の　ポ　イ　ン　ト

備　考

1.PC-UNIXでつくるInternetServer概要

セミナの「目的」を明確に。

システム構築に必要な物の確認。

現状ネットワークの構成を把握。

この実習で、「できること」と「できないこと」を最初に明言。

2.ネットワークの予備知識

アドレスには、「ＭＡＣアドレス」と「ＩＰアドレス」の二種類あり。

ＩＰアドレスは、本来は２進数表示であるが、便宜上、１０進数読みしていることに注意。

アドレスの重複はぜったいにダメ。

サブネットマスクの考え方。

「ドメイン」は階層構造。

「ドメイン」と「ホスト名」との関係。

3.PC-UNIX(Linux)のインストール

インストールする前に、ＢＩＯＳ情報の確認。

インストールするとき、画面上メッセージをよく読むこと。

領域を確保するときは、ＨＤＤが初期化されてしまうので、慎重に。

スワップ領域の必要性。

コンポーネントの選択。必要なものは初めからインストール。

パスワードの付け方と注意点。

起動と終了のしかた。終わるときは、必ず「シャットダウン」をしてから

4.日本語を表示するために

日本語が表示されるしくみを理解。ＪＥの組み込み。

いろいろなキーボード。なるたけ、英語で入力。コンピュータは英語文化

5.ユーザ管理

設定用「共通ファイル」と「個別ファイル」のちがい。

新規ユーザの登録とメンテナンス。

パスワードとグループ管理。

「権限」について理解。

6.ネットワークの設定

「ＩＰアドレス」と「ホスト名」を再確認。

ｈｏｓｔｓファイルの役わり。

動作確認（ｐｉｎｇの使い方）。

7.電子メイル

どういうしかけで、メイルがやりとりされるのか？（郵便とのちがい）

「ＰＯＰサーバ」と「ＳＭＴＰサーバ」。

ｓｅｎｄｍａｉｌについて。

送受信実験（メイリングリスト）。

8.ＷＷＷサーバの設定

ＷＷＷサーバとは？（ＨＴＴＰについて）

「Ａｐａｃｈｅ」について。

プロキシサーバとの関係。

クライアント側の設定の問題。

動作確認（ホームページのアクセス）。

9.ＦＴＰサーバの設定

「ＷＷＷサーバ」と「ＦＴＰサーバ」のちがい（ＦＴＰの特徴）。

ＦＴＰサーバのディレクトリ構成に注意。

セキュリティの問題（Ａｎｏｎｙｍｏｕｓ　ＦＴＰ）。

ＦＴＰサーバからのファイルの「ダウンロード」と「アップロード」。

10.Ｎｅｗｓサーバの設定

ＮＥＷＳサーバとは？（ＮＮＴＰについて）。

ＩＮＮについて。

動作確認（ニュースの「購読」と「投稿」）。

「ニュースグループ」の構造。

11.アクセスカウンタ(CGI&SSI)

「アクセスカウンタ」の必要性。

「ＣＧＩ」と「ＳＳＩ」について。

ＳＳＩのインストールと各種オプション。

動作確認（ＨＴＴＰとＣＧＩの連携を理解）。

12.Ｍａｉｌサーバの設定

メイルサーバとは？（ＴＣＰアプリケーションについて）。

「Ｓｅｎｄｍａｉｌ」と「ＣＦ」のインストール。

「レコード」の考え方を理解。

13.ＤＮＳサーバの設定

なぜ、ＤＮＳが必要なのか？（「ドメイン」と名前解決方法について）。

「ゾーン」の考え方を理解（再び、「ＩＰアドレス」について）。

「ＢＩＮＤ」について。

動作確認（「正引き」と「逆引き」）。