教材名 PC-UNIX構築と異機種間ファイル共有技術
教材名2
教材ID 48
教材作成者名 西尾 和彦
教材作成日 1997-06-25
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 情報・通信系
業種名 情報サービス業
職務名 プログラム作成と開発,ネットワークエンジニアリング
職務構成名 OSの構造とプログラム,通信ネットワーク構築技術
区分名 教材
職業名 システムエンジニア
 指導案

イ 使用教材、資材一覧

品名 規格等 数量 単位 備考
Linux配布パッケージ Slackware3 12  
2HD フロッピーディスク 1.44 MB フォーマット 36
自作テキスト 「PC-UNIX導入」 12  

ロ.訓練事前準備項目
1.使用機器のハードウェア構成に Linux が対応していることを確認する。
2.ネットワーク確認用の Windows マシンに TCP/IP プロトコルが組み込まれていること。
3.ネットワーク確認用の Macintosh にファイル共有機能が組み込みこまれていること。


ハ.訓練項目と訓練経過時間
・能力開発セミナーカリキュラムによる。


ニ 指導展開法
教科の細目 時間 指導のポイント 備考
1.UNIXについて 1 H
UNIXオペレーティングシステムの概要とUNIXシステムの歴史。
 
2.UNIXシステム 1H
UNIXシステムの特徴(マルチプロセス,マルチユーザ,パイプライン,仮想機能等)について解説。
 
3.Linuxとは 1H
Linuxの特徴,配布形態,配布パッケージの概要。
パッケージ別の特徴を中心に解説。
RedHat:クライアント使用向き
Slackware:サーバ用途に勧められる
Debian:ある程度Linuxに慣れたユーザ向き
 
4.Linuxのインストール 2H
Windows95環境のMS-DOSプロンプト下で3枚のフロッピーディスクのフォーマット、およびRAWRITEコマンドを利用したブートディスクおよびルートディスクを作成を行う。WindowsNT4.0環境ではこの作業は不可。ディスクインタフェースが不明な場合は、scsi.sのブートイメージを利用する。

一つのハードディスクを複数のパーティションに分割して利用している場合は、あらかじめ未使用の領域を300MB程度用意しておく。このうち32MB程度はスワップに割り当てる。

fdiskコマンド使用時に既存のパーティションを破壊しないように注意する。

時間に余裕がない場合は、ディスクセット選択後の「SELECT PROMPTING MODE」において「NONE」を選べば自動的に選択されたすべてのセットがインストールされる。ただしSlackware3.1の場合、500MB程度ハードディスクに空きが必要。また、ファイルのコピーに30分程度要するため、この間に昼食や休憩を入れる。

本体ハードディスクのマスターブートレコードを保護するため、LILOは3枚目の起動用フロッピーディスクに書き込む。
Windows95を起動。2枚のFDとSlackware配布パッケージのCD-ROMを用意。



















ブートディスクからLinuxを起動。fdisk後再起動










インストール完了後ハードディスクから起動(LILOを書き込んだFDをセット)  
5.日本語環境(JE)の導入 1H
JEが収録された配布パッケージを用意すること。
ezinstが完了した時点でキーマップを変更しておく。
また、rc.keymapの作成も行う。

JEのパッケージはパッケージリスト(cannaベースかwnnベース)を使うのが賢明。ルールやマニュアルは選択を誤ると必要なファイルがインストールされない。

cannaサーバが起動できたらmuleを使って日本語入力のテストを行う。ただし、ホームディレクトリに.emacsファイルを作成し、"canna"と記述しておく必要あり。
JEの収録されたCD-ROMを用意。
6.X-Windowの導入 1H
メジャーなチップセットには型番別のXサーバが必要な場合が多い。型番は、ボード上のチップを見て調べるのが確実。Windows95のドライバ情報は参考程度とする。もし、同じ型番のXサーバがデータベースに見あたらない場合は、近い型番のチップを選び、後から調整する。startx時にエラーが発生する場合は、エラーの発生したXF86Configファイルの該当行をコメントアウトしてみる。
 
7.カーネルの再構築 2H
make mrproperは行わない。
make configで各項目の意味を解説しながら設定した後、make menuconfigで設定内容を確認する。変更する必要のない項目は、[Enter]で応答する。

作り直したカーネルをテストするため、makezdiskでフォーマット済みフロッピーにカーネルを置き、動作が確認できたらmake zliloでハードディスク上の元のカーネルと置き換える。

モジュールを利用した場合は、make modulesおよびmake modules_installも忘れないこと。カーネルの再構築には30分程度かかるので昼食や休憩を入れる。
 
8.ネットワークの構築 1H
各マシンのホスト名およびIPアドレス対応表を準備(ペーパか板書)しておく。ネームサーバおよびゲートウェイが利用可能なら、これらのIPアドレスもあらかじめ入手しておく
 
9.Linuxネットワーキング 1H
netatalkやsambaのパッケージはフロッピーで配布するか、教官機に置いてftpで各マシンへダウンロードする。

ファイル共有確認用のMacintoshはイーサネット経由でセレクタからApple Shareが利用可能なことを確認しておく。

rootユーザではMacintoshから接続できないため、一般ユーザアカウントをあらかじめadduserユーティリティーで作成しておく。

ファイル共有確認用のWindows95/NTマシンにはTCP/IPプロトコルを組み込んでおく。このマシンの所属ドメイン名またはワークグループ名をsmb.confファイルのworkgroupに設定する。

sambaデーモンが動き始めてもすぐにはネットワークコンピュータへマップされないので、休憩等を挟む。
netatalkおよびsambaのアーカイブファイルを配布
10.周辺機器の操作 1H
ファイルシステムのマウントについては/etc/fstabを見ながら解説。Windows95がインストールされているのなら、これ用のFATまたはVFATパーティションを自動マウントできるように設定する。ただし、事故を避けるためリードのみのアクセス設定とする

フロッピーディスクの操作では/vmlinuxファイルを以下の形式でFDへ保存する実習を行う

(1)フォーマット済みのFDへtarで保存

(2)FDをext2フォーマットし、ファイルシステムとしてマウント後、ここへファイルを保存する。

(3)MTOOLSを利用してFDのフォーマットと書き込みを行う。
 

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