教材名 木造住宅の企画設計
教材名2
教材ID 81
教材作成者名 村尾 欣一
教材作成日 1998-02-20
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 居住系
業種名 木造建設工事業
職務名 意匠設計
職務構成名 建築設計の実務
区分名 教材
職業名 建築技術者
 ■教材情報データシート

【記入者】
村尾 欣一  所属:新潟職業能力開発短期大学校

【教材のねらい】
最近の在来軸組構法による大工・工務店の住宅受注は、大手の住宅産業の進出により、都市部において50%を切っているところが出ている。国民に一戸建て住宅を大量に提供してきた住宅産業の果たした役割は大きく、否定出来ない。しかしハウジングメーカーはマスメディアを利用し圧倒的情報量で、国民の住宅に対する意識を、1970年代から約30年間で大きく変えてきた。その特色は「デザインの無国籍化」「住宅の商品化=車なみ耐久消費財化」の傾向と言える。この意識変化は、これまで存在した住宅の生産システムを大きく変えた。特に大工職を中心とした職人の育成・配置・評価というシステムが根底から消滅しようとしている。これは伝統的な構法の継承に大きな危機を招いている。
この様な事態は、これまでの伝統構法を担ってきた大多数の大工・工務店側にも責任がある。それは居住者の意識変化に対して、メーカーの用意した土俵で競合をした。その結果、工期とコスト低減のための機械化、簡略化、合理化を進めた。またデザイン的にも、いわゆる洋風スタイルを追随し、結果本来の伝統的軸組構法の特質を失い、外観も内観もハウジングメーカーと区別つかないところまで来てしまった。
一方伝統構法を標榜する大工・工務店は、大多数のユーザーの意識変化に対応せず、一部で支持されている屋根の格式や儀式優先の平面に拘り続け、結果的に日常居住部を圧迫し、住み心地と使い勝手の悪い、画一的で現代生活空間に馴染みにくい時代遅れなイメージを定着させてしまった。さらに、兵庫県南部や新潟県北部で発生した直下型地震以後、「在来工法は弱い」という評価と攻撃を甘んじて受け、積極的な反論や改善をしていない。このままでは木造伝統構法が風前の灯火と言える。
しかし日本の伝統的軸組構法は、耐久性においても風土性においても、世界に誇れる二千年からの歴史と技能を持っており、それを正しくしっかり継承出来るシステムづくりが急務である。
この教材のねらいは2つあり、第一は世界に誇れる伝統軸組み構法を理解し大工技能を正当に評価した、現代的な住宅計画法を身につけた設計者の育成である。第二は優れた大工技能者を支援し、連携し、耐久消費財化に向かう住宅産業と、ハッキリ区別を付けた「百年以上住みたくなる住宅造り」運動の企画や、ネットワークづくりの担い手育成と、情報の発信にある。

【内容】
1.敷地の調査法
2.敷地利用計画
3.所用室と動線計画
4.平面計画と外観イメージ計画
5.具体的な平面、断面計画
6.架構計画
7.外観、内観の作図法
8.耐力壁の検討

【作者名】
村尾 欣一  所属:新潟職業能力開発短期大学校

【教材作成年月日】
平成10年2月20日

【セミナー時間数】
30時間

【体系図での位置】
業種名:木造建築工事業、建築設計サービス業
職 務:意匠設計
職務構成名:建築設計の実務

【レベル表示】
専門Ⅱ

【セミナー対象者】
建築設計技術者で木造住宅の伝統的な構法と現代的な空間の統合について企画.設計力を付け、これからの住宅産業の一翼を担おうとする者。

【教材形態】
1.開発形態:指導員が開発
2.セミナーの実施形態:技術習得型+企画開発能力習得型
3.教材の種類:自作テキスト、自作実習教材
4.補助教材:なし
5.教材開発ツール:office95

【参考文献】
日本建築学会編   建築設計資料集成1環境   丸善出版
基本建築関係法令集 日本建築技術者指導センター 霞ヶ関出版

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