イ.使用機材
OHP、製図器、トレーシングペーパ及びコピー用紙
テキストダクト・配管設計計算尺(受講生持参、使用しなくてもよい)
関数電卓またはポケコン(受講生持参)
ロ.訓練事前準備
テキストの印刷(受講生の欠席等を配慮し各学習単位で、小冊化してある)
ハ~二.訓練項目及び指導ポイントなど
1.総説 2 H
1.導入(0.5)
空気調和設備に関する歴史的背景や空気調和システムの概要 (OHP0-1,2,3,4,5)
ポイント:空調設備の動向について理解させる。ライフサイクルについて理解させる。
2.室内環境(室内環境編)(0.5)
- 空気調和における環境評価(OHP1-1,2,3,4,5,6,7,8,9)
代謝量、有効温度、新有効温度、作用温度、PMV
ポイント:体感と室内温度との差違について理解させる。
- 工業用空調生産物と室内環境
ポイント:単に、空調温湿度問題だけでなく、結露、すきま風など建築物に対する考慮まで理解させる。
- 室内環境に関する法令全般について (OHP1-10,11,12,13)
建築基準法(建基法28、建基法令20の2~4、28の抜粋)ビル管理法 (ビ管法4抜粋)
ポイント:室内環境が法規制とどうかかわるかを理解させる。
- 最適目標値
ポイント:どのような環境評価をもって室内設計条件が決まるのかを理解させる。
3.建築気候(建築気候編)(1)
- 外界気候1(OHP2-1,2,3,4,5,6,7)
各地域における気温と湿度、気温、湿度の日年変動特性、度日数 気候や風の統計
ポイント:各地域の気候と空気調和の関係が年間、シーズン、日、時間単位でどのようにかかわるのかを理解させる。
- 外界気候2 (OHP2-8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,)
太陽光、緯度と太陽位置、太陽常数21,22,23)大気透過率、直達日射、天空輻射、全日射量壁面と日射受熱量、日照率、日射の地物からの反射、夜間輻射
ポイント:日射の種類や日射量について熟知させる。時間、日、シーズン、年間単位で日射量が空気調和とどのようなかかわりを持つのか理解させる。
2.空気調和計画法 6 H
1.湿り空気の性質(空気線図・冷凍サイクル基礎編)(2)
- 湿り空気性質(OHP3-1,2,3)
湿り空気、乾き空気、大気、大気圧の構成、温湿度の種類、熱の種類、比エンタルピー
ポイント:湿り空気の物理的性質、熱的性質について理解させる。空気のもつ熱の種類について熟知させる。
- 空気線図の原理 (OHP3-4,5,6,7,8,9,10,11,12)
空気線図の作成原理
ポイント:空気線図の使用誤りのないよう空気線図の作成理論について理解させる。
空気の混合、加熱、冷却、加湿、室内状態線
ポイント:空調サイクルにおける空気調和による基本的な変化を空気線図で表現する方法について熟知させる。
- 空調装置と空気線図の応用利用
(OHP3-13,14,15,16,空調システムと空気線図17,18,19,20,21,22)
ポイント:各種空調システムの空気線図上での空調サイクルを熟知させ、空調システムサイクルの問題点の検討法について熟知させる。
現場における空気線図の応用演習 (OHP-23,24,25,26,27)
(演習は教科時間外で、解答は教科時間内で実施)
ポイント:空気線図を利用した、空調機器の運転調整、データの収集法について熟知させる。
2.負荷計算法(4) 1.負荷計算理論と手順(負荷計算基礎編)
- 窓からの負荷(OHP4-1,2,3,4,6,7,8,9)
ガラス面からの日射データ作成理論日照率に関する理論
ポイント:ガラス面の日射の侵入形態や窓ガラスの種別、日射とガラスの幾何学的位置関係によってどう負荷が変化するのかを熟知させる。
- 外壁からの負荷 (OHP4-10,11,12,13,14,15,16)
壁からの熱伝導理論実効有効温度データ作成理論
ポイント:日射や外気の熱の侵入量や形態について熟知させる。
- 非空調室の負荷 (OHP4-17,18)
熱平行式に関する理論
ポイント:非空調室内の温度についてある程度の考察力を養わせる。
- 建物内部の負荷 (OHP4-19,20,21,22)
人体、照明、その他機器
ポイント:室内負荷の種類と算定法について熟知させる。
- すきま風、換気負荷 (OHP4-23,24)
ポイント:すきま風や換気量の算定法について熟知させる。すきま風と換気負荷の設計上での取り扱いの違いについて熟知させる。
- 機器の蓄熱負荷、その他負荷
ポイント:運転状態と立ち上がり負荷の関係について理解させる。空調機械からの熱負荷や、搬送経路からの熱負荷について理解させる。
2.負荷計算演習(時間の関係上班編成にて実施。一部、教科時間外で実施)(課題-1)
3.空調方式とデータの集計(課題-1)(一部、教科時間外で実施)
- 空調システムとソーニング法
ポイント:ゾーニングの種類と特徴について理解させる。
- 空調システムと制御精度
ポイント:各空調方式と制御方法との観点からどのような問題があるかを理解させる。
- 個別機器と熱源機器の容量算定
ポイント:末端側の熱需要量と熱源側の熱供給量の違いを理解させる。
- 負荷計算集計演習(各班の結果を持ち寄り、各班で集約する)
ポイント:負荷集計と熱種別について理解させる。同一時間における集計について熟知させる。換気風量の集計について理解させる。
3.空気調和機の設計・選定 3 H
1.冷暖房熱源機器の原理と自動制御 (熱源機器基礎編) (1)
- 熱源機器の種類と原理、性能
(OHP5-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,冷水発生装置11,12,13,14,15,16,17,温水発生装置18,19,20)蒸気発生装置選定
ポイント:運転状況によって機器の性能がどう変化するのかを理解させる。演習結果から熱源機器の選定法について理解させる。
- 熱源機器の自動制御と付属機器及び設備
ポイント:熱源機器の運転方法、制御のあらましについて理解させる。
- 熱源機器に関する据え付け、メンテナンス概要
(OHP6-1,2,3,ポイント:メンテナンスの関係から機械 4,5,6,7,8,の配置について理解させる。 9,10,11,12,4.熱源機器に関する法規13,14,15)高圧ガスに関するもの取り扱いに関するもの
ポイント:機械室の機器配置が理解できるようにする。機器設置や取り扱いに対してどのような法規がかかわるのかを理解させる。
2.送風機、ポンプ、加湿器、エアフィルタ、熱交換器の(2)特性と選定
(空調機器基礎編)
- ポンプ、送風機に関する理論(OHP7-1,2,3,4,5)
- 送風機の性能特性とダクト系の空調機器の制御と問題点(OHP7-6,7,8)
ポイント:末端やメインダクトに設置される制御機器によって送風機特性がどう変化するのかなどを熟知させる。
- ポンプの性能特性と水配管系の空調機器の制御と問題点(OHP7-9,10,11)
ポイント:末端やメイン配管に設置される制御機器によってポンプ特性がどう変化するのかを熟知させる。
- 送風機ポンプに関する調整法(OHP7-12,13,14)
ポイント:実務事例を取り上げて、送風機の風量調整法や、ポンプの水量調整方法について理解させる。
- 加湿器種類、性能と空気調和機の関係(OHP7-15,16,17,18,19)
ポイント:加湿の方法と空調サイクルとの関係について熟知させる。
- エアフィルタの種類と性能(OHP7-20,21,22,23)
ポイント:塵埃とフィルタの関係について理解させる。
- 熱交換器の種類と特性と設計 (OHP7-1,2,3,4,5,6,7,8)
水-水、水-空気、蒸気-水の性能、特性、設計
ポイント:熱交換器の簡易設計法、選定法、調整法について理解させる。
4.ダクト系の設計 3 H
1.ダクトシステム計画・設計・施工法(ダクト系基礎編)
- ダクト設計法 (OHP10-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15)
配管選定図の作成法相当長さデータ作成法データ使用に関する注意点各種設計法による特徴と問題点
ポイント:配管選定用データがどのように作成されているかを理解させ、データ使用の誤りがないようにする。等摩擦法、全圧法、改良全圧法、静圧再取得法などの設計法とその特徴について理解させる。高速ダクトの設計法について理解させる。
- ダクトシステム計画演習 (課題-1)
(演習は教科時間外で、解答は教科時間内で実施)
ポイント:ダクト種別による設計熱源主管、系統主管、枝管の選定について十分熟知し、論理的根拠に基づいた、合理的なダクト経路の決定が十分できるよう指導する。
- 施工法
ポイント:ダクトの材料種別や加工法について理解させる。各種加工法の特徴について理解させ、現地加工品となるので、品質管理なども併せて理解させる。騒音、振動、強度、抵抗、気流分布などの観点からダクトの施工要領について理解させる。保温などの付帯工事についても理解させる。
5.配管系の設計 3 H
1.配管システム計画・設計(流体・配管系基礎編)
- 配管設計法 (OHP11-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11)
ポイント:管選定図の作成方法について使用に誤りのないよう十分理解させる。水系の設計法、蒸気系の設計法について理解させる。
- 配管システム計画演習(課題-1)
(演習は教科時間外で、解答は教科時間内で実施)
ポイント:冷温水発生器周りの配管法について熟知させる。放熱器周りの配管法について熟知させる。各種配管システムについて熟知させる。熱源主管、系統主管、枝管の選定について十分熟知させる。配管システムの圧力分布図による流れのチェックポイントを熟知させる。
3.施工法
ポイント:使用流体の性質や圧力と配管材料の選定について熟知させる。振動、空気溜り、分岐、抵抗、ドレン、伸縮等の観点から施工要領について理解させる。保温などの付帯工事についても理解させる。メンテナンスの観点から施工要領について理解させる。
6.吹出口の室内空気分布(吹出口と気流分布) 1
- 気流拡散理論(OHP12-1,2,3,4,5)
- 各種吹出口の特性及び調整
- 配列
ポイント:吹き出し風速や到達距離、気流拡散、温度差による気流降下と吹き出し口の形式や配列の関係について十分理解させる。ドラフトと気流調整の問題を理解させる。
7.製図(設計課題演習図面) 12 H
1.製図法(0.5)
- 製図通則(OHP99-1,2,3,4,5)
- 製図法概説
- 各種図面の書き方
ポイント:各種図面からどのような事項について読みとるか理解を深めさせる。図面記述の優先順位について理解させる。
2.設計図書作成(0.5)1.仕様書の作成
3.製図演習(課題2)(11)
ポイント:効率のよい図面作成手順、施工手順、おさまりなども十分熟知できるようにする。(計算、メモ書き等は教科時間外で実施)
全般的な指導ポイント
受講生との会話の中から相手企業の組織構成や受講生の組織内での立場、経歴、職業感などを理解する。授業では、会話から得た情報の中から現場事例などを織り交ぜ講義を進める。このことにより受講者側は興味をより深める。
指導に当たって、単に技術的な内容を一方的に教えるではなく、企業の側にたって、技術的問題の相談にのるの姿勢が重要である。演習や実習では個々の受講生に対してアドバイスを与える。アドバイスを与えるに当たって、特に総合課題では、できるだけ直接相手の誤りを正すのではなく、別の方向から問題を提示し、考えさせる。 直接、誤りを正そうとすると、教えてくれなかったと批判を受けるケースが多い。受講者数が多い場合、一人一人に目が行き届かなくなるので、演習や実習、休憩時間を通して、出来るだけ講習早期に、こまめに情報を入手する。
|