教材名 工程表作成
教材名2
教材ID 92
教材作成者名 小菅 孝一
教材作成日 1997-06-01
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 居住系
業種名 総合建設業
職務名 建築施工
職務構成名 施工管理
区分名 教材
職業名 建築技術者
 工程表作成指導案


【使用教材及び資材】

 本セミナーで用いる教材及び資材を下記の表に示す。但し、同表に示した各々個数は
 受講生一人当たりの対する個数である。

使用教材及び資材

 表4
教材及び資材 内容及び仕様 個数 備考
テキスト 建築施工管理技術研究会:
建築技術者のための
 ネットワークプランイング
1冊 ・市販図書
・価格 ¥1600
自作副教材
(演習課題)
1.演習問題集
(工事作業リスト)
(全ての工事(作業)を書込み
 各工事に おける相互関係
 を明記する。)
2.工程表作成シート
(工程表を書込む用紙)
1部



5枚
・付録なし

・1及び2共に
 一太郎Ver8
 で作成。
資材 1.方眼紙(B4,1㎜方眼)
2.色鉛筆(赤及び青)
3.テンプレート(円)
4.FDディスク(3.5インチ)
5枚
各1本
1個
5枚
・定規を含む
受講生持参品 1.筆記用具
2.卓上電子計算機
   

【訓練事前準備項目】

 本セミナーを開講するに当たり、事前に下記の事柄について準備すること。
  1. 講義の流れはテキストを基本として構成すること。

  2. 自作課題を作成する。このとき、ある工事についての全ての作業を漏れなく抜き出すこと。また、抜き出し作業一つ一つの相互関係をしっかりしておくこと。
    これらに落ちがあると受講生に手痛い指摘あるので注意する。

  3. 受講生のレベルをするためにアンケートを作成する。
    特にパソコンについて、受講生のレベルがそれぞれ大きく異なるので注意する。

  4. パソコンのネットワーク関係をしっかり整備しておくこと。
    必ずどのパソコンからもプリンター出力(印刷)ができるようにしておく。

【訓練項目と訓練所要時間】

 本セミナーの訓練項目と所要時間を表5に示す。また、同表には教科細目とその所要
 時間も示した。

 表5
訓練の項目 教科の細目 細目時間 訓練
所要時間
1.工程管理概論 (1)工程管理
(2)各種工事内容
(3)工程用語及び種類
1.0h
1.0h
1.0h
3h
2.バーチャー式
   工程表
(1)作業の流れ
(2)段取り
(3)工程表作成及び演習
0.5h
1.5h
1.0h
3h
3.ネットワーク式
   工程表
(1)規則(記号とルール)
(2)作業の流れ
(3)段取り
(4)工程表作成及び演習
4.0h
1.0h
1.0h
3.0h
9h
4.パソコンによる
  工程表作成
(1)概要と使用方法
(2)工程表作成及び演習
4.5h
4.5h
9h
  合計 24h

【指導展開法】

 本セミナーの指導展開法として、学科実技指導案を示す。指導案は訓練項目別に
 No.1~4のそれぞれに示した。

 学科実技指導案 No.1
  1. 訓練項目  工程表作成
  2. 目  標  工程管理の概論について理解できる
  3. 受講者数  3人
  4. 場 所  201教室
  5. 所要時間  3時間
  6. 教材及び資材  筆記用具、ノート、テキスト
指導区分 時間 指導内容(要点と方法) 備 考
はじめに 15分
  • 自己(教官)紹介:氏名、専門等
  • 受講生にアンケートを配り、記入してもらう。 アンケート内容:会社名、氏名、所属課、仕事内容、本セミナーの受講理由、パソコンの経験有無等
  • アンケート回収する。
  • 受講生に各自の自己紹介をしてもらう。
この時に受講生各自のレベルを概ね理解する
導 入 5分
  • 本セミナーの日程と全体の流れ。4日間でどのような内容で進めていくかを述べる。
前記表5参照
提示1
(工程管理)
5分
  • 工程管理の目的と意義
  • 工程管理の手順と内容
  • 工程管理の基本事項 工程が遅れる原因など
 
提示2
(各種工事
  内容)
60分
  • 各種工事(構法)にどのような工事作業があるのか示す。RC造、S造及び木造について述べる。
  • さらに、各作業内容(概略)について話す。
-板書内容-

RC造の工事に必要な主工事作業
(順番不同)
仮設工事、外構屋外工事、躯体工事、外装仕上げ工事、金属工事、木工事、内装工事、設備工事、 防水工事、
建具工事、基礎工事、雑工事、組積工工事等
 
提示3
(工程用語
 及び種類)
60分
  • 各種の工程表の概要説明
    バーチャート式、曲線式、
    ネットワーク式
  • 各種工程表の特徴
    (長所と短所)
  • 各種工程表の比較

-板書内容-

RC造の工事に必要な主工事作業
各種工程図表の比較をしやすくするために表を作 成する。
テキストのP.17 を参照
まとめ 10分
  • 受講生にここまでの質問を受ける。
  • 重要なポイントについてもう一度触れる。
    目的意義、工事作業、種類等
 


 学科実技指導案 No.2
  1. 訓練項目  工程表作成
  2. 目  標  バーチャート式工程表を作成できる
  3. 受講者数  3人
  4. 場 所  201教室
  5. 所要時間  3時間
  6. 教材及び資材  筆記用具、工事作業リスト、工程表作成シート、
            色鉛筆テンプレート(定規目盛り付き)、卓上電気計算機
指導区分 時間 指導内容(要点と方法) 備 考
導入・提示1 (作業の
   流れ)
30分
  • バーチャート式工程表の作成手順を示す。

-板書内容-

  1. ある工事を構成する主工事、そしてそれらに付随する部分工事作業を全て選び出す。
  2. 各工事の順番を配慮しながら、工事作業リストに主工事及び部分工事作業を書き込む。
  3. それぞれの部分工事作業の相互関係を考慮しながら、期間及び日数を決定し、リストに書く。
  4. 工程表作成シートの縦及び横軸に主工事並びに工期のそれぞれを示す。
  5. 3.で決定した期間及び日数を参考に、シート上にバー(横線)を示す。
  6. 1つバー(横線)は部分工事作業を示しているので、バーの上及び下に記号及び日数をそれぞれに書き込む。
  7. 5.と6.の作業を全て部分工事作業について行う
  8. 工程表に誤りがないか確認し、完成。
 
導入・提示2
(段取り)
90分
  • バーチャート式工程表を具体的に作成するためにある工事の主工事と部分工事作業をあげて行く。
  • 基準階に必要な主工事と部分工事作業をそれぞれあげながら、内容を説明する。
  • 次ページに示す問1の内容を板書する。
主工事 部分工事作業(記号)
  1. 仮設工事
    ・足場組立(仮1)
  2. 鉄筋工事
    ・隅出しレベル出し(鉄1)
    ・柱配筋(鉄2)
    ・壁配筋(鉄3)
    ・梁床スラブ配筋(鉄4)
  3. 型枠工事 
    ・柱型枠(型1)
    ・梁型枠(型2)
    ・壁内側型枠(型3)
    ・床スラブ型枠(型4)
    ・壁外側型枠(型5)
    ・型枠解体(型6)
  4. コンクリート工事
    ・コンクリート打設(コ1)
    ・養生(コ2)
  5. 設備工事 ・壁電気配管(設1)
    ・床電気配管(設2)
以上あげた主工事および部分工事作業を工事作業リストの所定のところに書き込んでもらう。
  • 次に、各部分工事作業の必要日数および工事期間(何日目)を決定する。
     総工期は20日間とする。
  • 決定して日数と期間をリストに書き込む。
     →工事作業リスト完成



この時、受講生にどのような工事があるか質問する。
















この時、受講生の意見を聞く。
提示3
(工程表
 作成及び
   演習)
50分
  • 完成した工事作業リストを用いて、作業手順に基づいて、作成シートに工程表を完成させる。
-作成に当たっての注意-
  • 工程の順序立てて書く。
  • 色鉛筆を使用し、バーはわかりやすく書く。
  • バーの上には記号、下には日数を書く。
演習問題1
RC造基準階工事
(問2)
まとめ 10分
  • 受講生にここまでの質問を受ける。
  • 重要なポイントについてもう一度触れる。 作業手順、主工事と部分工事作業等
 


 学科実技指導案 No.3
  1. 訓練項目  工程表作成
  2. 目  標  ネットワーク式工程表を作成できる
  3. 受講者数  3人
  4. 場 所  201教室
  5. 所要時間  9時間
  6. 教材及び資材  筆記用具、工事作業リスト、工程表作成シート、
            色鉛筆テンプレート(定規目盛り付き)、卓上電気計算機
指導区分 時間 指導内容(要点と方法) 備 考
導入 20分
  • ネットワーク式工程管理
    (手法)とは
  • バーチャート式との違い
    (復習)
  • ネットワーク工程表の種類 アロー型とサークル型
 
提示1
 (規則)
220分 必要に応じて、板書をしながら下記の事項を説明する。
(アロー型ネットワーク工程表に必要
 な事項)
  • アクティビティ(作業矢印)とは
  • イベント(結合点)とは
  • ダミー(疑似矢印)とは
  • デュレイション
    (所要時間)とは
  • 作業の基本的ルール 先行作業
    後続作業及び並行作業の関係
    従属,独立関係
    サイクルの禁止
    同一作業の表示禁止
一組のイベントには複数の作業を表示しない
  • 分割作業とは
  • 集約作業とは
  • 作業リストの作成について注意
    ネットワーク工程表を作成するにあたり、ストは不可欠。
  • ネットワークの日数計算 
  • 結合点時刻とは
    最早結合点時刻
    最遅結合点時刻
  • 作業時刻とは
    最早開始時刻(E.S.T)
    最早完了時刻(E.F.T) 最遅開始時刻(L.S.T)
    最遅完了時刻(L.F.T)
  • フロート(余裕時間)とは
    フリーフロート
    トータルフロート
  • クリティカルパスとは
  • タイムスケールによる表示
  • 日程短縮の方法
  • フォローアップ(進度管理)
    の方法
  • ネットワーク(規則)に関する演習問題
  • 演習問題回答
作業リスト参照

















テキスト
P.66~70の問題
提示2
(作業
 の流れ)
60分
  • ネットワーク式工程表の作成手順を示す。
-板書内容-

  1. ある工事を構成する主工事、そしてそれらに付随する部分工事作業を全て選び出す。
  2. 各工事の順番を配慮しながら、工事作業リストに主工事及び部分工事作業を書き込む。
  3. それぞれの部分工事作業の相互関係を考慮しながら、期間及び日数を決定し、リストに書く。
以上の1~3についてはバーチャート式と同じ。
  1. 各々の部分工事作業における先行作業、後続作業並行作業を決定し、工事作業リストの所定の位置に記号(各部分工事作業の略号)を書き込む。
  2. 方眼紙に方眼を概ねの目安にし、それぞれのパーツ(イベント、アクティビティ、タミー、所要時間及び記号等)書き込む。
  3. ネットワークに間違い(禁止事項)がないか調べる。
  4. 次に結合点時刻、作業時刻及びフロートを計算しネットワークに書き込む。
  5. 工事作業リスト及び下書き(方眼紙)を参考にしながら、工程表作成シートに色鉛筆及びテンプレートを用いて、日数に配慮しネットワーク工程表を完成させる。

ここが最も重要である。


計算ミスに注意
提示2
(段取り)
60分 バーチャート式工程表で用いたRC造基準階工事について、ネットワーク工程表を作成する。
  • 主工事並びに部分工事作業の選び出しから必要日数及び工事期間の決定までは完了している。
  • 各々の部分工事作業における先行作業、後続作業 並行作業を決める。工事作業リストの所定の位置に記号(各部分工事作業の略号)を書き込む。(問3)
演習課題
基準階





ここが最も重要である。
提示3
(工程表
 作成及び
   演習)
170分
  • はじめに下書きとして、方眼紙にそれぞれのパーツを書き込む。(イベント、アクティビティ、タミー、所要時間及び記号等)この時、方眼を概ねの 目安とする。
    1←L.F.T
    鉄1←記号
    1←E.S.T
    1 ←日数
    〔0〕←トータルフロート
    (0)←フリーフロート
  • 結合点時刻、作業時刻及びフロートを計算しネットワークに書き込む。
  • 工事作業リスト及び下書き(方眼紙)を参考にしながら、工程表作成シートに色鉛筆及びテンプレートを用いて、ネットワーク工程表を完成させる
-作成に当たっての注意-
  • 工程の順序を守ってわかりやすく書く。
  • アクティビティの長さが工事期間を表すようにする
    (日数に配慮する)。
  • ネットワークの禁止事項に注意する。
  • 一番最後にイベントのサークルに番号を入れる。
時間の余った受講生については演習課題を与える。
RC造3階建て工事
(問4)












各受講生に作成して
もらう (問5)















演習課題2
まとめ 10分
  • 受講生にここまでの質問を受ける。
  • 重要なポイントについてもう一度触れる。
    先行後続作業
    ネットワークの作成の要点
 


 学科実技指導案 No.4
  1. 訓練項目  工程表作成
  2. 目  標  パソコンを用いて工程表を作成できる。
  3. 受講者数  3人
  4. 場 所  機械実験室
  5. 所要時間  9時間
  6. 教材及び資材  筆記用具、工事作業リスト、パソコン、支援ソフト
指導区分 時間 指導内容(要点と方法) 備 考
導入
(概要)
30分
  • 建築生産におけるコンピュータ活用について
  • パソコンによる工程管理について
  • パソコンを用いた工程表作成について
 
提示1
(使用方法)
240分
  • OSWINDOWS95の操作方法
  • 工程管理ソフトMicrosoftProjectの操作方法
    プロジェクトの用語
    プロジェクトのパーツの展開
    プロジェクト管理ツールの利用
    プロジェクトファイルの管理
    プロジェクト情報の表示
    プロジェクトの
    スケジュール作成
    タスクの処理
    タスク間の関係の確定
    プロジェクトのアウトライン化
上記の内容については板書またはパソコンのモニター上で示す。
例は参考図書のP.69~111に記載のある工程(移転に関する工程)を用いる。
基本的に参考図書
 [オフィシャル
  コースウェア]
のlessson1~5
までの内
提示2
(工程表
 作成及び
   演習)
240分 ソフトの基本的操作が理解できたことを確認する。
  • バーチャート及びネットワーク工程表で用いたRC造基準階工事の工程を工事作業リストを参考にパソコンで作成する。
  • 時間が余った受講生についてはRC造3階建工事の工程表を作成する。但し、各部分工事作業の先行後続作業及び期間は工事作業リストには記載していないのでその部分を決定してからパソコンを用いて工程表を作成すること。
演習問題1
(問6)




演習問題2
まとめ 15分
  • 受講生に質問を受ける。
  • 重要なポイントについてもう一度触れる。 タスクの処理、アウトライン等
 
総括 15分
  • 本セミナーで行った内容について
  • 今後の工程表利用について
  • 終わりの言葉
 

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